東電福島事故では、放射線による死亡者は出ませんでしたが、避難に伴って災害関連死が発生しました。事故時の放射線リスクへの対応は適切だったのか、リスク・便益分析を行い、今後の政策対応のあり方について提言をします。岡芳明先生に杉山大志研究主幹が伺います。

【講演資料】

岡芳明先生講演資料「東電福島事故のリスク・便益分析」

【目次】

00:00 オープニング
00:51 岡先生ご挨拶
01:15 目次と概要
02:03 東電福島第一原発事故と新規制基準
08:20 放射性被曝の健康影響
17:10 東電福島事故からの避難のリスク・便益分析
52:53 東電福島事故の原子力防災と危機管理の教訓
01:12:25 日本の原子力安全・規制・防災にリスク・ベネフィットの考え方が必要
01:28:06 関連書籍・資料のご紹介

【出演】

岡芳 明 東京大学名誉教授。前・内閣府原子力委員会委員長。 東京大学工学部原子力工学科卒業、工学系研究科修士課程・博士課程修了。博士(工学)。1974年東京大学工学部助手(原子力工学研究施設)、講師、助教授を経て、1989年教授。東京大学で原子力工学の研究教育に従事。東大原子炉施設の運営管理と共同利用も担当した。専門分野は原子炉設計工学。考案した超臨界圧軽水炉は第四世代原子炉として世界で研究されている。2005年に原子力工学研究施設の教員定員を母体に、原子力国際専攻と原子力専攻(専門職大学院)の設立を主導。2007年に原子力分野の文部科学省グローバルCOEプログラム代表者。2010年に東京大学を定年退職し、早稲田大学理工学術院共同原子力専攻の設立と運営に従事。2014年から2020年まで原子力委員会委員長。以来、原子力発電と社会との接点の課題を検討している。日本原子力学会会長(2008年)、米国原子力学会理事(2001–2004年)。著書に『原子炉設計』(オーム社2010年)、Super Light Water Reactors and Super Fast Reactors(Springer 2010)等。研究論文は約200編。