他チェーンでも同様の流れになるのか
――壁際はどこのチェーン店でも売り上げが立ちにくいという背景があるのでしょうか。
「必ずしもそうではないのですが、窓がある店舗では日が差し込むため、食べ物を置きにくいという事情があります。そのため、日が当たる場所には非食品しか置けません。つまり、置けるものに制約があるので、売れ筋商品を配置できない店舗も多いと思います」
――ローソンが窓際にクレーンゲームの設置を進めていますが、同じ背景があるといえるでしょうか。
「そうですね。同じことだと思います。食べ物以外で売れるものやお客の興味を引くものを置きたいということでしょう。セブン-イレブンもダイソーの商品を置いていますが、同様です。それでも、どのチェーンも、店舗ごとに事情は異なるので、各店舗の経営者に判断は任せる、としか言いようはないと思います。
そもそもコンビニは、誕生から何十年も、売場の面積は大きく変わってはいません。それでも売り上げは伸ばしてきました。つまり、限られたスペースの中で、売れない商品は見切り、売れ筋商品を広く展開するなどの研究と工夫を重ねてきた結果です。その延長線から考えても、イートインの削減は不思議なことではないといえるでしょう」
――イートインスペースの削減は、売れる商品を展開するために活用しようとの判断だとしても、テイクアウトとイートインで税率が異なることで、イートインの利用率が低くなったという背景はないのだろうか。
「それはほとんどないでしょう。おそらく、税率8%と10%くらいの違いを気にするお客はコンビニを利用しないと思います。コンビニは基本的に定価で販売するので、安さを求めるお客はスーパーなどに行くのではないでしょうか。
したがって、コンビニ側が気にしているのは、食品以外で売れる商品を置けないかという点でしょう。その点でファミマは、売れる衣料品や雑貨があるので、表立ってイートインを雑貨などの棚に変更する、と公言できるわけです」
イートインスペースを雑貨等の棚に変更し、売り上げが上がるようであれば、ほかの店舗にも順次変更していくであろうし、競合のチェーンでも追随する動きは出てくるだろう。
(文=Business Journal編集部、協力=中井彰人/流通アナリスト)
提供元・Business Journal
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