例えば、9月20日にスタッド・ルイ・ドゥで行われた、日本代表MF南野拓実を擁するモナコ対バルセロナの試合(2-1)。ホームのモナコがバルセロナを破りいきなりの番狂わせを演じたが、双方が決勝トーナメントに進出し1回戦の組み合わせに恵まれるか、双方が勝ち進まない限り、バルセロナにリベンジの機会はない。

 従来のグループリーグ方式ではどうしても最終節には消化試合が生じてしまうため、それを嫌ったUEFAが編み出したこの新方式。最終節まで激しい順位争いが繰り広げられる一方、サッカーの根源である「ホーム&アウェイ」を捨てたことから、決勝トーナメント、あるいはプレーオフ進出は最終節の相手次第という“運”の要素が大きい。

 また、グループリーグでは3チームを相手にして6試合だったものが、リーグフェーズでは全て別のチームを相手にしての8試合に増えた。選手の過労のみならず、クラブのスカウティング担当の仕事も倍以上に増えることになる。加えてこの方式はホームとアウェイでの戦績を全く無視したものとなっている。

 マドリードの場合、CLリーグフェーズ最終節(1月30日)で対戦するのが、ポッド4ながら4節終了時点で4位と大健闘しているフランスのスタッド・ブレスト。しかもアウェイ戦だ。現在18位に位置するマドリードだが、上位8チームに入り決勝トーナメントにストレートインするどころか、場合によってはプレーオフ(9位から24位)に回る可能性もあり、試合数はさらに増えることになる。

 総試合数も125試合から189試合にまで増え、自国のリーグ戦への影響も大きい。最終的には選手層がモノをいう消耗戦となることは必至で、マドリードほどのメガクラブであっても選手の故障は避けて通れないだろう。

 付け加えれば、CL最終節を前に決勝トーナメント進出が絶望となるチームが生まれることには変わりなく、「消化試合がなくなる」というUEFAの目論見通りに事が進むかにも疑問を挟まざるを得ない。