11月19日開催のFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選で、日本代表に1-3で敗れた中国代表。日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)へのレーザーポインター照射をはじめ、複数の問題行為により批判を浴びる中、現地では元鹿島アントラーズ所属選手のMFセルジーニョ(長春亜泰)につづき、FC東京所属MF高宇洋の帰化・代表招集を求める声も挙がっているという。
元中国代表選手の父と日本人の母の間に生まれた同選手は、ガンバ大阪でプロキャリアをスタート。G大阪で十分な出場機会を得られず、レノファ山口、アルビレックス新潟と渡り歩き、2024シーズンからFC東京でプレーしている。
新潟で主力選手として活躍し、FC東京加入1年目の今季もリーグ戦31試合のスタメン出場で2ゴール2アシストをマークしている高。日本のA代表招集歴がないだけに、中国メディア『捜狐』は2024年6月の時点で、中国サッカー協会(CFA)に対して同選手の帰化戦略を検討するよう勧めていた。
その中国は、北中米W杯最終予選のグループCで最下位も、残り4試合で本大会自動出場圏内の2位オーストラリアと勝ち点1差。W杯出場の可能性が残っているだけに、帰化戦略のさらなる加速が予想される。
そんななか、『163新聞』は11月25日に「高には中国代表に招集されるだけの実力がある。一刻も早く帰化させるべきだ」と主張。「高のプレー強度の高さは、今の中国代表選手よりもはるかに上回っている。日本代表入りが難しいほか、彼の父親はまだ中国代表のユースチームで仕事をしている」と、FC東京所属ミッドフィルダーの囲い込みに動くべき理由を綴っている。ただ日本政府は二重国籍を原則として認めていない。そのため高が中国代表入りする場合、日本国籍を放棄する必要がある。
中国の帰化戦略を巡っては、セルジーニョが2025年1月に「中国在住歴5年」という帰化の条件を満たし、同年3月に代表招集される見通しだと、『捜狐』など複数メディアが報道。同国代表のブランコ・イバンコビッチ監督と面談した可能性も取りざたされている。CFAは自国選手の育成よりも帰化選手の招集が、W杯本大会出場にむけて必要なことだと考えているようだ。