世界各地で見つかるピラミッドの類似性は、古代文明の交流や高度な技術の存在を示唆しているのだろうか。現代においても多くの謎を秘めるピラミッドだが、中国にもまた、多くの謎を抱える水中ピラミッドが存在する。

中国撫仙湖に沈む古代都市とピラミッド

 広大で秘密主義の中国、雲南省の撫仙湖(フーシアン湖(Fuxian Lake))には、沈んだ都市と巨大な水中ピラミッドが存在する。撫仙湖は標高1720メートルに位置し、面積は約260平方キロメートル、深さは約155メートルに達する中国最大級の淡水湖である。

 1992年、プロダイバーのゲン・ウェイ氏が湖底で苔の下に埋もれた彫刻された敷石を発見した。その後、中国の考古学者たちが潜水艦を使って調査を行い、沈んだ都市の階段や壁、土器、アリーナのような構造物、道路などが発見された。ゲン・ウェイ氏は、この都市が遠い昔に消滅したとされる伝説の古代都市「ユーユアン(俞元)」ではないかと推測した。

消えたピラミッド、中国政府の隠蔽?  中国日報によると、ゲン・ウェイ氏はこれらの石がはるか昔の時代に由来すると考え、湖底に沈んでいる理由を調査した。地元住民の間では、穏やかな晴れた日に近くの山から湖底に都市のようなシルエットが見えるという伝説が語り継がれていた。ゲン・ウェイ氏は38回もの潜水調査を行い、最終的に雲南省の関連部署や専門家に報告書を提出した。

 中国政府の監視下にある中国日報は、水中都市の物語を公然と伝えている。彼らは、遺跡から発掘された遺物を紀元250年頃のものと推定し、当初は沈んだ都市が失われた都市「ユーユアン」の伝説と一致すると考えていた。しかし、更なる調査の結果、石造りの都市は木と粘土で建造されたユーユアンとは異なることが判明した。また、石の年代測定の結果、沈んだ都市はさらに古いものであることがわかった。

 注目すべきは、中国日報の記事ではピラミッドについて一切言及されていない点だ。一方で、中国の旅行ガイドではピラミッドが強調され、マヤのピラミッドと比較されている。

中国・撫仙湖に沈む古代都市とピラミッドの謎!UMA、UFOの伝説も…!
(画像=画像は「YouTube」より、『TOCANA』より 引用)

 Travel China Guideによると、2005年には、検出された古代都市の面積は2.4平方キロメートルに達し、8つの主要な建物が確認された。最も驚くべきは撫仙湖ピラミッドで、5階建てで高さ21メートル、マヤのピラミッドに似た形をしている。多くの青銅のバックルが付いた舞台のような建物は、祭壇ではないかと推測されている。水中建物には、湖の伝説に登場する馬に似た動物の蹄鉄のような8~15センチメートルの穴が多数開いており、研究者たちは、これらが家屋の建設に使用されたのではないかと考えている。

 イギリスの報道機関もマヤの建造物との類似性を指摘している。研究者たちは、直径37メートルの土台を持ち、北東に隙間がある円形コロシアムのような建物や、マヤのピラミッドに似た2つの大きな高層建築など、8つの主要な建物が水中に発見されたと主張している。

 古代文明やミステリーなどを扱うウェブサイトAncient Originsは、ピラミッドが高度な技術で建造されたと報告し、石に刻まれた謎めいた彫刻についても説明している。1800年前のものと推定される珍しい太陽の形をした印章彫刻や、人間ではない顔をした仮面のような彫刻、数字の0と1、文字の「y」に似た記号も見つかっている。