東京・池袋の「サンシャイン水族館」で期間限定(9月6日~11月4日)で開催中の夜間特別営業「帰ってきた 性いっぱい展」が「想像以上に完全に一線を越えている」としてインターネット上で話題を呼んでいる。同館は今回の企画展のコンセプトとして「生き物たちの性にまつわる繁殖行動等々に興味関心を持ってもらうことで、生き物の魅力に気づいてもらいたい」と掲げているが、具体的にどのような内容なのか。
池袋のサンシャインシティ ワールドインポートマートビル屋上にある日本初の都市型高層水族館「サンシャイン水族館」は、JRほか各線の池袋駅から徒歩8分という好立地にあり、都心で手軽に訪れることができる水族館として人気。年間来場者数は100万人を大きく超える。最大級の横幅となるミズクラゲの展示水槽「海月空感(くらげくうかん)」や浅いサンゴ礁をイメージしてつくりあげた大水槽「サンシャインラグーン」を擁し、カワウソ、ペンギン、アシカ、クラゲ、チンアナゴ、アザラシ、ダイオウグソクムシのほか、トカゲやサメなど多彩な生き物を鑑賞できる。
屋外エリアである「マリンガーデン 天空の旅」には、幅約12mの解放感の大きくオーバーハングした水槽があり、都会の空を飛んでいるかのような世界初展示の天空のペンギン、自然のままの環境を再現した草原のペンギンの姿を見ることができ、日没後は幻想的な光りに包まれた空間になることで知られる。
バックヤードを見学できる「探検ガイドツアー」や「エサやり体験」などの各種イベントも行われ、現在は特別展として、危険な毒を持つ生き物を集めた「極もうどく展」を開催中だ(~11月24日)。
<種が繁殖し命のリレーをつなぎ続ける>
そんなサンシャイン水族館の大人気企画が「性いっぱい展」だ。生き物が生き残るための戦略や工夫などの「性の神秘」や、生き物たちの性について楽しく学べる企画で、2019年から過去3回開催されており、今回は4回目、3年ぶりの開催となる。「繁殖行動や求愛行動、生殖器など生き物たちの『性の違い』を人間の性文化になぞらえ、様々な展示で紹介」するもの。同館館長の丸山克志氏は次のように説明している。
<生き物たちの性の世界は、それぞれの種が繁殖し命のリレーをつなぎ続けるためのものであり、それは私たちの性や生きることに関する考え方や行動をも変え得るほどの多様性に満ちています。人間の性も基本的には命のリレーをつなぐために存在しますが、人間の場合はお互いの存在を感じ、喜びや価値観を確かめ合う側面を持つものでもあり、またそれは性差を越えるものでもあります。「帰ってきた♡性いっぱい展」での「ココロ動かす、発見」が、実に多様な人間と生き物あるいは人間同士の適切な距離感を築いていけることの伏線になれば幸いです>(プレスリリースより)
その展示内容は“かなり攻めて”おり、なかでもスタッフが作成するユニークなイラストが描かれた解説パネルは、水族館らしからぬ露骨な表現やユーモアが来場者たちを楽しませている。たとえば、コリドラスの独特な繁殖方法を解説したパネルでは、
<漫画を読んでいたのですが、そこに「お口が妊娠しちゃう」というセリフを発見!思わず「コリドラスかよ!」ってツッコんじゃいました>
などと書かれている。
このほか、“攻めた”各種イベントの開催やオリジナルグッズの販売も実施。営業時間は18時15分~21時までと夜間のみだが、入場に年齢制限はなく子どもも入場可能だ。