何もない小部屋での実験より「楽しかった、集中できた」という回答は増えず、約3分の1の参加者は指示を破って、実験中にスマホを触ったり、パソコンでネットサーフィンを始めたのです。
この傾向は男女ともに等しく見られ、人々は短時間でも何もしないでいることに苦痛を覚えていました。
それならと、研究チームは実験内容をさらに発展させてみることに。
「何もしないで退屈でいる」か「自らに電気ショックの痛みを与える」以外行動の選択肢がない場合、人はどちらを選ぶのか検証してみたのです。
男性は退屈より「電気ショック」を選んだ!
まず事前の準備として、参加者たちには体に害はないが痛みの強い電気ショックを受けてもらい、「この電気ショックを避けるためなら5ドルを支払ってもいいと思うか」と質問しました。
すると、ほとんどの参加者は「Yes」と回答。
この電気ショックがお金を払ってでも避けたいレベルの不快な痛みであることが確認されています。
その後、参加者は先ほどまでと同じように、何もない小部屋に入れられて15分間一人で考え事をしたり、空想にふけるよう指示されました。
ただしこのとき、「希望する場合は電気ショックのスイッチを好きに押してもいい」と言われています。
その結果、非常に興味深いことに、男性の多く(67%)は退屈な時間を避けるために、少なくとも1回は自らに電気ショックを与えることを選んでいたのです。
電気ショックの平均回数は1.47回でしたが、中には15分間に190回もの電気ショックを与えた男性もいたという。
ただこの男性は例外すぎるので、データの平均値からは除外されています。
一方で、女性の参加者には電気ショックを選択する強い傾向は見られませんでした。
女性の中にも4分の1程度は電気ショックのスイッチを押した参加者がいましたが、男性ほど多くはなかったのです。