政治
2024/11/25
「戦後」から「戦前」へ目を向けよ:第3次世界大戦はすでに始まっている
その中で、近年特に目立つのは国際政治のブロック化が大きく進んでいるということです。その辺をごく簡単に整理しておくと次のようになると思います。
まず、米国を中心とする、いわゆる民主主義陣営についてみると、ウクライナ戦争を契機にNATO(北大西洋条約機構)の存在が増大していることが明らかです。1949年の結成当初加盟国は12か国でしたが現在は32か国に膨れ上がっています。従来中立を堅持してきた北欧のフィンランドやスウェーデンまでがこの1年ほどの間に加盟しましたが、ウクライナも加盟を熱望しており、状況によって、いずれ加盟を認められるかもしれません。
一方、日本や韓国は、米国との2国間の安全保障条約による相互防衛体制を維持し、日米韓の3カ国協力関係を強化していますが、さらに最近では日韓両国は「NATOパートナー」として欧州各国とも緊密な協力関係を構築しつつあります。他方、英仏なども対中警戒心からアジア太平洋地域への関与を強めつつあります。
このほか、オーストラリアは、米英と3カ国防衛体制、「オーカス」(AUKUS)を結び、その枠組の中で、原子力潜水艦の建造を目指していますが、これも対中共同防衛が狙いです。さらに日、米、豪、インドの4か国は「クワッド」(QUAD)という形で連携しています(ただし、これは現時点では必ずしも相互防衛体制にはなっていません)。
中国中心のブロックこれに対して、中国を中心とする非民主主義(独裁的)陣営も、さまざまな形で連携を強めています。とくに中、露、北朝鮮の3カ国は、歴史的に朝鮮戦争(1950~53年)以来強固な相互防衛関係にあり、その関係は今回のウクライナ戦争においても如実に表れています。
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