ゲームで遊んでいる間は介護職員の負担が軽減される。一緒に遊ぶように介護ボランティアに頼めば、いっそう負担は軽くなる。そのうえ、ゲーム終了後には、どのくらい集中して遊び、どの程度間違えたかなどのレポートがデジタル形式で介護職員向けに出力されるそうだ。
ちなみに、介護ボランティアにもボケ防止の効果があることは、早くから介護ボランティア制度を取り入れた東京都稲毛市から報告されている。稲城市の制度は、今では全国に広がっている。
幼稚園や保育園を併設している介護施設なら、幼児と高齢者が一緒に遊ぶこともできる。昔はおじいさん・おばあさんが孫たちの面倒を見るのが当たり前だった。高齢者と幼児が一緒にゲームすれば、高齢者と同居していない幼児が高齢者を身近に感じる機会になる。大げさに言えば、多世代間で相互理解が図られる。
任天堂スイッチなどは高齢者向きではなかった。わが国のゲーム産業が気付かなかった穴を、イスラエル企業が埋めたわけだ。デジタルに不慣れと排除するのではなく、デジタルゲームで高齢者に楽しみを与えようという発想は評価できる。
Obieを導入したニュージーランドの施設では、週に3から4回遊ぶことで、84%の入居者に社会性に関わる改善が、88%に認知に関する改善が、97%に身体動作に関わる改善が見られたそうだ。このように、デジタルは高齢者にも役立つのだ。
情報通信政策フォーラム(ICPF)では、4月12日に谷脇康彦氏を講師にお招きして、セミナー「データ駆動型社会への転換」を開催する。多くの方々に参加いただきたい。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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