直接投資からの所得について、対外直接投資と対内直接投資の推移やそのバランスを統計データで確認し、国際比較してみます。
1. 対外直接投資所得の推移前回は、日本の直接投資収益について、対外直接投資所得(受取)と対内直接投資所得(支払)に分けてご紹介しました。
日本は対外直接投資に比べ、対内直接投資が極端に少ないため、その所得も同様に偏っています。
今回は、主要先進国の直接投資所得について、国際比較した結果をご紹介します。
まずは、対外直接投資所得(Foreigin Direct Investment, Income, Outward)です。
海外への直接投資から得られる、配当金などの所得となります。海外子会社への再投資収益(Reinvested earnings)も含まれます。
図1が主要先進国の対外直接投資所得(受取)の推移です。
主要先進国の他に、直接投資の多いオランダとスイスも掲載しています。
総額となりますので、やはりアメリカが圧倒的ですが、近年では日本が2番目の水準です。
2000年代はイギリスの水準が高かったようですが、横ばい傾向が続いていたようです。
直接投資による所得なので、アップダウンするはずですが、概ね各国とも増加傾向です。
2022年の数値では、アメリカが6,267億ドル、日本2,061億ドル、イギリス1,911億ドル、オランダ1,874億ドル、ドイツ1,563億ドルです。
日本は比較的多い対外直接投資からの所得があるようです。
2. 対内直接投資所得の推移続いて、対内直接投資所得(支払)です。
海外からの日本企業への直接投資に対して支払う配当金などの所得となります。
図2が対内直接投資所得の推移です。
やはりアメリカが圧倒的ですが、近年ではオランダもかなりな水準に達しています。スイスもイギリスを上回っていますね。