主要なスマホOSには、iPhoneに採用される「iOS」とGoogle PixelやGalaxyに採用される「Android」の2種類があります。この2通りのOSは、結局何がどのように違うのか意外と知らない方も多いのでは?そこでこの記事では、国内シェアから主要な違い、そして選択のポイントまで詳しく解説します。

「iOS」「Android」の国内シェアの差はどれくらい?

iOSを搭載するスマホには「iPhone」が挙げられ、Androidを搭載するスマホは多岐にわたります。そんな「iOS」「Android」にはシェア率に大きな差があるのかをみていきましょう。結論から言えば、国内シェアは互角です。

MMD研究所が2023年に発表した「2023年9月スマートフォンOSシェア調査」によると、メインで利用しているスマホのOSはiPhone(iOS)が50.0%、Androidが49.7%とほぼ互角。OSという単位でみれば、iPhoneとAndroidは五分五分と言えるでしょう。

「iOS」と「Android」両者には意外と大きな違いがある

先にもご紹介した通り、iOSとAndroidの国内でのシェアは互角。そんな両者ですが、OSとしての具体的な違いについては「iPhoneとそれ以外」と大まかに把握しているくらい、という方もいるのでは。

両者には意外と大きな違いがあり、特に「プライバシー保護」に関してはAndroidを積極的に選ぶ理由はないとすら言えます。両者の違いについて詳しく解説します。

OSの提供元の違い及び「オープンソースか否か」

意外と知らない「iOS」と「Android」の違い 結局どちらのOSを選ぶべきなの?
(画像=(「Apple」公式サイトより引用)、『オトナライフ』より 引用)

iOSはApple社が開発しており、ソースコードは公開されていません(※2018年にGitHubにソースの一部が流出した事例はあり)。

一方でGoogle社が手がけるAndroidは、オープンソースとして提供されているのが最大の特徴。よってSamsungが手がける「Galaxy」に代表されるAndroidスマホは、様々なメーカーがOSに様々なカスタマイズを加えた上で提供されているケースが多いです。総じてiOSは統一感と安定性が高く、Androidにはカスタマイズ性と多様性があると言えます。

サポート期間の長さ

iOSとAndroidには「サポート期間の長さ」にも違いが出やすいです。

AndroidスマホはOSに各社がカスタマイズを加えるため、サポート期間がまちまちになりやすいです。一方でiPhoneはApple社が長期的なサポートを提供するためです。

Apple社が長期的にサポートを提供したiPhoneには、典型例として「iPhone 8」が挙げられるでしょう。

意外と知らない「iOS」と「Android」の違い 結局どちらのOSを選ぶべきなの?
(画像=iPhone 8(筆者撮影)、『オトナライフ』より 引用)

2017年9月に発売されたiPhone 8は、2023年秋にリリースされたiOS 17でサポートを終了。スマホの買い替えスパンは2年~3年と言われる中、7年弱にわたってサポートが提供されたことを意味します。2023年時点では中古市場でもトップクラスの人気を誇っていた「名機」であり、2024年現在でもOSアップデートへの対応こそ不可となったものの、ホームボタン付きのiPhoneを求める方からの一定の支持を受けています。

意外と知らない「iOS」と「Android」の違い 結局どちらのOSを選ぶべきなの?
(画像=『オトナライフ』より 引用)

一方、先述した通りAndroid端末はメーカーの独自機能が追加実装されている場合も多く、どこまでバージョンアップするかどうかはメーカー側がそれぞれ定めています。安価な端末では短期的にしかバージョンアップにしか対応しないという場合もあり、製品寿命が短めになることもあります。

セキュリティ:Appleは「プライバシーは基本的人権」を掲げる

意外と知らない「iOS」と「Android」の違い 結局どちらのOSを選ぶべきなの?
(画像=(「Apple」公式サイトより引用)、『オトナライフ』より 引用)

Appleは「プライバシーは、基本的人権です。」というポリシーを掲げるほど、非常に高いセキュリティレベルを実現。ユーザーデータの管理にも厳しい基準を設けています。

例えば2016年にはアメリカで発生した銃乱射事件で、FBIが犯人のiPhoneのロックを解除しようとしたものの自力では解除できず、Appleに協力を求めました。しかしApple側はロック解除への協力を拒否。最終的にFBIはオーストラリアのハッキング会社に協力を求めてロックを解除できたものの、FBIですらロック解除に苦戦するほどiPhoneは強固なセキュリティであるという証明にもなりました。(※AppleはFBIに捜査協力をした事例もあるため、すべての捜査協力を一貫して拒否しているわけではありません)

一方、Androidは一般的にiOSよりもプライバシー面で脆弱性が多いと指摘されており「プライバシー重視」ならば積極的に選ぶ理由はあまり多くありません。

連携性

iOSはApple製品同士の連携が非常にスムーズで、iPhone、iPad、Macなどのデバイス間でのデータ共有や操作が簡単に行えます。例えば、iPhoneで撮影した写真をiCloudを通じてMacで編集することができます。またAndroidもGoogleアカウントを利用することで、異なるデバイス間でのデータ共有ができます。

とはいえメーカー側でカスタマイズが加わった機種の場合、iPhoneほどの一貫性はないとは言えるでしょう。例えばGalalxyの場合、一部の機能ではGoogleアカウントとは別に「Samsungアカウント」の設定が求められる場合があります。

ハードウェアの選択肢と価格帯

iPhoneはApple社のみが製造しているため、モデル数は限られていますが、その分「定評はある」と言えるでしょう。なお端末価格は継続的な高騰傾向にあり、例えばiPhone 15は124,800円~です。SIMフリー端末を一括で購入したい方にとっては、年々手が届きづらい端末になりつつあります。

一方でAndroidは多くのメーカーが様々なモデルを提供しており、価格帯も幅広く、低価格のものも多く「お財布に優しい」です。例えばGoogle Pixelシリーズで廉価版に位置づけられるPixel 8aは72,600円~。iPhone 15と比べると約40%も価格が安くなっています。

アプリ開発について

近年はスマホアプリ開発では「クロスプラットフォーム開発」が大きく広がっており、1つの開発言語でiOS/Android双方に向けてアプリケーション開発をするケースが増えました。

一方でAndroid か iOS のどちらか一方のみをターゲットとして「ネイティブアプリ開発」を行うケースもまだまだあります。ネイティブアプリはより軽量に動作するアプリを開発しやすいためです。

ネイティブアプリを作る場合、iPhoneアプリではObjective-C または Swift を使用します。Android のネイティブアプリは、Java または Kotlin で記述します。Javaは極めて汎用性が高いプログラミング言語であり、Kotlinも飛躍的に人気上昇を続けている言語の1つです。SwiftやObjective-Cに、JavaやKotlinほどの汎用性があるとは言えないでしょう。

アプリ開発に使うプログラミング言語の汎用性や覚えやすさ、言語としての将来性といった面においてはAndroidに軍配が上がるかもしれません。