ハラリ氏の主張は「報復」の歴史をよく知っているイスラエル人の歴史学者の発言だけに、大きな意味合いが出てくる。時代の公平、正義の枠組みを乗り越え、報復を「歴史」に委ねていくべきだというのだ。
21世紀にも恨みを超克し、相手を許すことができた多くの義人がいる。愛されず、不法に扱われてきた人、自分の親族を殺された人、それらの人々が「報復」という手段を選ばず、和解を求める人生を歩みだす人々だ。彼らは義人だ。「報復」のサイクルから抜けだした21世紀の義人を探し、彼らからその証(あかし)を聞こう。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年8月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。