株式会社 識学 上席コンサルタント コンサルティング部 課長 羽石 晋
自己啓発関連のベストセラー『7つの習慣』は「組織に不満を言う前に、自身が変わりなさい」と説き、『嫌われる勇気』は「環境のせいにすることは、自分を正当化するための言い訳でしかない」と述べています。
確かに、会社における上司とは、部下にとって「環境」と言えるもので、そこに不満をぶつけること自体無意味かもしれませんが、相性によるストレスで退職する人がいることも事実です。
そういった最悪のシナリオの主人公にならないためにはどうすべきでしょうか。
本記事では、そういった「上司ガチャ」にあたってしまった際の対応策を解説します。
当たりの上司は「この人といればもっと糧を得る力が付く」と思わせてくれる人上司ガチャの当たりと外れの定義から考えていきましょう。
人と人は基本的に「有益性」で結び付きます。そして、その有益性はその人の価値観によって異なります。
例えば、誰かといて楽しいことが有益性だという価値観で付き合う場合、気の合う相手やこちらに気遣いをしてくれる相手からは「楽しいという有益性」をたくさん得られるでしょう。
誰かから何かを学べることが有益性だという価値観の持ち主は、多くの気付きや知識、時には厳しい指摘すらしてくれる相手から「学びという有益性」を多く得られるということになるのです。したがって、そういう相手は自分にとって有益なので当たりの人になります。
では、そもそも私たちは上司に対して何を得たいと期待しているのでしょうか。
「会社とは働く場所である」
これは、イーロン・マスク氏がTwitter社を買収した際の言葉です。シンプルですが真実味があります。
人は何のために働くのか。さまざまな答えがあるでしょうが、多くの人にとって共通の目的は「糧を得ること」でしょう。
会社が糧を得る場所だとすれば、「この人といればもっと糧を得る力が付く」と思わせてくれる人と働くことは間違いなく有益なはずです。これこそが、当たりの上司です。