世田谷区ではかつて、教育委員会主催のワークショップ「ドリームジャズバンド」で、指導者だったトランぺッター、日野皓正氏が反抗的な態度を取った生徒の髪を引っ張り、往復ビンタをした事件があった。このことはメディアでも大きく報道され、区議会でも問題視された。
その際、保坂区長は記者会見で「体罰の一歩手前」「体罰や暴力ではない」と発言。それより前には、X(旧ツイッター)で、以下のようなポストをしていたにも関わらずである。
理由がある暴力は「体罰」で、理由のない暴力はたんなる「暴力」という考え方は間違い。理由があれば教師は指導の手段として暴力を行使していいという正当化=体罰容認論に陥ります。 「熱心な愛情の表現」と美化され、教師も暴力を行使、にためらいも躊躇もなくなり、歯止めがきかなくなります。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) January 25, 2013
トップがこのような詭弁を弄する行政のもとで行われている教育が、自然と歪んでいっても不思議はない。魚は頭から腐るのである。
今回の事件は、区長の「体罰に甘い」体質が、世田谷の教育にジワジワと広がっていた証左の一つと言えよう。区長は「いのちの政治」を掲げているが、子どもの命は傷つきっ放しである。悪い冗談もほどほどにすべきだ。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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