建国記念の日はいつになっても日陰者だ。皇室も政府もたいした行事をしない。日本のナショナルデーはいつなのかと聞かれたら、多くの人は2月11日の「建国記念の日」と答えるだろう。しかし、実は2月23日の天皇誕生日なのである。

令和6年天皇陛下お誕生日に際してのご近影 宮内庁Pより

また、神武創業は、皇室の先祖が橿原に小さな国を作った日だと記紀には書いてあるのに、右翼は大軍を率いての神武東征があったとか、日本統一国家成立の日だとか中世伝説をもとに勘違いしているし、左翼はヒステリックに反対している。

一方、天皇誕生日は代替わりごとに変わるので不便だ。そこで、2月11日を皇室がその誕生日と考えている日ということで歴史論争から解放し、それを天皇誕生日にかわるナショナルデーにしてはという提案を以前からしているが、それを「2月11日は建国記念でなく皇室の日とすべき」というDiamond Onlineの記事にしたので読んで欲しい。

そこでは、世界各国のナショナルデーがいつかという話も取り上げているので、少しそれを紹介したい。

世界各国には、普通の祝祭日とは区別された特別のナショナルデーがある。海外駐在の大使館などではこの日、各界の名士や現地在住の自国民を大使公邸などに招いてパーティーをする習慣だ。

伝説上の建国記念日を採用しているのは韓国だ。10月3日の開天節は、紀元前2333年に檀君が北朝鮮で建国したという神話に基づき、建国を記念し、天に感謝する日である。ただし、これは歴史でなく神話の類いで、しかも、13世紀以前には語られていなかった話だ。

アイルランドのナショナルデーは、キリスト教を布教した聖パトリックの命日に当たる3月17日である。アイルランド移民が多いアメリカでは緑の日として祝われる。