この度、かねてよりTOCANAと関わりのある出版社の彩図社様から、2021年に発売された『怪しい噂の真相 禁断の雑学』の使用許諾をいただいた。まさに怪しい噂、雑学が目白押しの一冊には、知っているようで知らない興味深い知識が散りばめられている。今回は特別にTOCANA編集部おすすめの話題を抜粋して紹介する。
「ハーメルンの笛吹き男」は実在していた?
村人の依頼でネズミを駆除したが、報酬を出し渋られた笛吹き男。約束を破られ怒った男は、笛の音色で子どもたちを誘い出し、そのままどこかへ消えていった――。童話「ハーメルンの笛吹き男」の顛末である。この話はフィクションだが、元ネタとなった事件はある。
ドイツのハーメルンにあるマルクト教会のステンドグラスには、1284年6月26日に起きた、子どもの集団失踪事件に関する詩が添えられている。失踪した130人は上品な身なりの男に連れ去れられたという。この伝承が広まり、脚色を加えてつくられたのが笛吹き男の童話である。
なぜ子どもたちは失踪したのか? 1212年に少年たちが十字軍として聖地を目指す事件があったので、ハーメルンでも同様の出来事が起きたという説がある。その他、疫病や事故による大量死を表しているなど、さまざまな解釈があるが、確かなことはわかっていない。
注目したいのは、失踪者が若者だったという説だ。失踪したのは、貴族の勧誘で新天地に旅立ったためだという。笛吹き男は彼らを領地へと入植させたい、貴族かその使者だというわけだ。
中世社会では、豊かな生活を求めて人々が大移動することは珍しくなかった。ただ、当時としては当たり前のことがなぜ伝説として語り継がれたのかという謎も残る。失踪者の身に何が起きたのかは、神のみぞ知ることだ。
(文:黒い雑学研究会)
続きは『怪しい噂の真相 禁断の雑学』でご覧ください。
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提供元・TOCANA
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