- 利他的精神
これは自分自身も意識するように努力しているのだが、40代以降で利他的行動を徹底している人は心から尊敬に値すると思う。
人間は誰しも自分のために行動するし、得のない行動をする人なんて誰ひとりいない。「親は子供に無償の愛を注ぐ」などと言われるが、おいしい料理を振る舞ったり、公園で遊ばせたりする行動も「子供の喜ぶ顔を見たい」という自分にとっての得で、それを求めて行動していると言える。そもそも、子供は自分の遺伝子を運ぶ大事な乗り物なので、自分自身と同じくらい丁重に扱う理由もあげられる。
その上で「自分の得以上に社会への得を優先する」という人は一定数いる。マズローの5段階欲求で言う自己実現欲求に達したビジネスマンなどがそうだ。もちろん、ビジネスをすることは間違いなく自分自身にもメリットがあるのだが、それ以上に「仕事を通じてもっと日本を良くしたい、社会を良くしたい」という利他的な志をしっかり感じられ、実践している人は本当に素晴らしいと思うしかっこいい。
自分も矮小な存在ながら、地元で子供たちの役に立つ活動であれば積極的に無償で対応させてもらうこともある。自分が社会の役に立っているという実感は、時にお金以上に大きな報酬に感じることもある。
- 許す器
最後は相手を許す器の持ち主である。時折、不義理なことをされているのに大きな心で相手を許す人がいる。これはなかなかできないことだ。若い頃は「もうするなよ!」と流すことができても、40代以降となると「人は本質的には変わらない」と考えて相手を許すことがどうしても難しくなっていくのではないだろうか。
知人の経営者は会社のお金を盗んだ従業員と話をして相手を許した。結果、従業員は後日両親を連れ、改めて謝罪して社長の懐の深さに感動、その後は一生懸命仕事をしてくれるようになったといっていた。なかなか聞かない美談であり、そうはいかないことも多い世の中だが「社長の器はすごいな」と個人的に大きく心が動いた話だった。
ビジネスをして色んな人間関係を持つと不誠実な人、悪意を持った人に迷惑をかけられることは日常茶飯事である。「他人は変えられない。他人は信用しても期待はしない」という哲学を持つと、どうしても不誠実へのカウンターとして「損切り」が最も合理的選択肢になってしまう。だが、すぐにバッサバッサと切ってしまうだけでは、その後大きく発展していたかもしれない関係性まるごと捨てているということになる。
この点については自分も大変未熟な人間と自覚しており、日々試行錯誤しながら許すことの難しさに悩んでいる。だからこそ、これを自然にできる人は本当にすごいと思うのだ。
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他にも中年太りせず理想的な体型維持をしたり、外見を磨き続けているということもすごいと思う要素ではあるものの、あくまで内面の精神世界に限定した話で言えば上記の4つが挙げられる。40代以降はますます「人間の魅力は中身」になっていくと思うのだ。
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