バイデン対トランプ。正直、あのアメリカでなぜ81歳と78歳の対決なのかと、かなり低調だった大統領選。ここにきて、俄然、ドラマ性が高くなった。急に視聴率のあがったドラマのようだ。

バイデン大統領が撤退表明し後継指名したことで、おそらく(ハリスさんは大統領候補としてまだ正式に決定してはいないが)トランプ対ハリスになる。銃撃に九死に一生をえたトランプ氏か、米国初の女性大統領(しかも有色人種)か。おそらく非常に高い投票率になるのではないだろうか。

共和党大会でのトランプ氏 同氏インスタグラムより

まず、6月28日、バイデン大統領が討論会で失態。疑問符が付きだす。

7月13日、トランプ元大統領が銃で狙撃され、あわやのところで九死に一生を得たのみならず、その際に、常人ではとてもできないタフさを見せた。血を流しながらも、立ち上がり拳を挙げてファイトと叫んだのだ。

狙撃されて間髪入れずにこんな行動をとれるだろうか。逃げ出したっておかしくないところだ。この点につき、率直に、私は心から敬服する。後ろに真っ青な空にはためく星条旗をバックに「世紀の一枚」の写真が撮られた。この危機の時代に、このような強さこそ必要だと、誰しもが思っただろう。

しかも、候補者受諾演説では、普段の分断をあおるトランプ節は押さえて、すべての米国民のための大統領となると、一皮むけたのではないか、と思わせる演説をした。もっとも、その後、バイデン大統領の撤退表明に対し、いつもの悪態をつくトランプ節を炸裂させていて、やっぱり変わらないのかな、とも思わされた。