「果報は寝て待て」も、寝ていたら果報が来るのではなく、全てをやりきったらあとは寝て待ちなさいという意味です。ことわざにはちゃんと「オチ」があることを考えましょう。ことわざの考え方は私たちにとって、ヒントを与えているのです。

中国には守株待兎ということわざがあります。株を守ってウサギを待つという、牡丹餅がウサギに変わった意味になります。農夫が狩猟もせずに休んでいたところ、ウサギが切り株にぶつかり努力をせずにウサギを仕留められたというものです。

この話にはオチがあります。翌日も農夫はウサギがぶつかることを期待して何もせずに待っていました。1カ月が過ぎたころ、農夫はウサギを得ることができないどころか、自分の田畑も荒廃させてしまいました。本来、やるべき仕事を放棄してはいけないという戒めの言葉です。

長い歴史の中で蓄積されてきた、幸せになるための教訓のことを「人生訓」と言います。運をよくしてチャンスをつかむにも覚えておきたいものです。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)