ドイツ側との交渉の末、テロリストは準備された飛行機でエジプトへ脱出する案が受け入れられ、選手村からヘリコプターで空港に行くことになった。ドイツ側は移動中か、空港でテロリストを射殺する計画だったが、テロリストがそれに気が付き、銃撃戦となった。
最終的に、イスラエル人の人質が乗ったヘリコプターが爆発、炎上し、人質9人全員と警察官1人が死亡。犯人側は8人のうちリーダーを含む5人が死亡し、残りの3人は逮捕された(「『ミュンヘン五輪テロ事件』の教訓」2022年9月3日参考)。
パレスチナ自治区ガザを実効支配しているイスラム過激テロ組織「ハマス」が昨年10月7日、イスラエル領に侵入し、約1200人のユダヤ人を射殺した奇襲テロ事件後、イスラエル軍がハマスへ報復攻撃を開始し、ガザ攻撃で多数のパレスチナ人が犠牲となっていることに、アラブ諸国やイスラム教国でイスラエル批判の声が高まっている。それを受け、イスラム過激派テログループによるイスラエル関連施設へのテロの脅威が高まっている。
オーストリアのテロ専門家は「無条件でイスラエルを支援しているドイツとオーストリア両国に対し、イスラム過激テロ組織はテロを計画している」と指摘、両国がイスラム過激派グループのテロ襲撃対象となっていると警告している。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年9月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。