それでも納得してもらえない、理解してもらえないとしましょう。そのような場合には2つの方法があります。

ひとつは、ひとまずの生活費を潤沢に用意しておくことです。そうすればある程度の期間は大丈夫だと安心してもらえます。

もうひとつは、期間を決めて独立することです。たとえば、2年間真剣にやって成功できなければ自営業はやめてサラリーマンに戻る。そういう時限的な約束をすることもひとつの説得方法です。

家族の理解を得る行為は、あなたの本気度が試されている。

加えていえば、家族の反対がある場合には2つの原因が考えられます。ひとつはコミュニケーション不足、もうひとつは普段の生活態度です。

私も23歳で独立起業すると決めたとき、父親と真剣に話し合いました。どれだけ真剣に独立起業を考えているのか、どういう算段で仕事を取っていこうと考えているのか。20代での成功事例はあるのか。行政書士がどんな仕事なのか。一晩中、思えば父親とそれだけ深い話をしたのは初めてだったかもしれません。

最終的に「そこまでいうなら真剣にやりなさい」と応援してくれることになりました。このことで父をはじめ両親や家族とも向き合うようになり、感謝していますが、多くの場合こうした深い対話をせずに「わかってくれない」と本人がすねてしまうことも多いようです。

また、これは深読みかもしれませんが、独立開業することに恐れがあり、反対してもらうことで安心しているということもあるかもしれません。

そして生活態度です。普段、あなたの家族はあなたが家庭にいるときの生活態度と給料の額くらいでしかあなたを判断していません。ですから仕事は真面目にやっていても、普段が不精者ではあなたの言葉も説得力に欠けるというものです。生活態度に思い当たる節があるとすれば、そこから改めていくのも最初のステップとしては最適かもしれません。

ところで、独立開業の際は家族や親族の助けを借りたくない、という方も多いようです。しかし、できれば家族をはじめあなたに近い人にはぜひ頼ってください。もしあなたの家族や親友が独立開業するので助けてほしい、といわれたら喜んで手をさしのべるはずです。