1. 2024年度本予算(9月末まで)が成立 ① 2024年度本予算の投票

    迅速に投票に進めるため、今回も規則を停止して即投票に進める特別ルールで対応した。そのため、可決するには投票者(棄権者を除く)の3分の2の賛成票が必要だ。280票必要だったところ、ギリギリの286票の賛成で通過した。

    賛成(YEA) 反対(NAY) 白票 棄権 共和党 101 112 6 民主党 185 22 6 合計 286 134 12

    ジョンソン議員が下院議長に就任してから、共和党は初めて賛成よりも反対票が上回った。事前予測で、共和党は100票の賛成を確保できない可能性があると指摘されていたがギリギリだった。

    民主党からの反対はジェフリーズ少数党下院院内総務総務がほぼ予測していた通りの反対票数がでた。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金提供禁止が盛り込まれたためだ。

    上院での採決は以下のとおり。12の修正案が採決されたが、すべて否決された。

    民主党(無所属含む)からの反対は、サンダース上院議員とベネット上院議員。サンダース上院議員は下院民主党の反対と同様に 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金提供禁止に反対したため。ベネット上院議員は、ウクライナ支援が含まれなかったためとリリースをだしている※1。

    賛成(YEA) 反対(NAY) 棄権 共和党 25 22 2 民主党・無所属 49 2 – 合計 74 24 2 ② 2024年度本予算に盛り込まれた注目点

    共和党と民主党の発表資料※2から、いくつかピックアップする。共和党も民主党も勝利宣言をしているが、どちらかというと共和党のほうが多く勝ち取ったように思える。

    国境警備と執行のための予算を増額。移民収容施設のベッド数を34,000床から42,000床に増やし、最大2,000人の国境警備隊を追加できる予算を追加 低所得家庭の5歳までの幼児と身体障害児を対象にしたHead Start Programと、軍人家庭への新設するチャイルドケアセンターに10億ドルの増額 ガン研究に1.2億ドル増加。アルツハイマーの研究資金にも1億ドル増加。 台湾へ中国に対抗するための安全保障協力資金を倍増 インフレ削減法で可決したIRSへの追加資金から200億ドルを取消。 ガスコンロ設置禁止を禁止する 米国に協力したアフガニスタン人に新たに1万2000人のビザを発給 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に税金をつかって資金を提供することを2025年3月25日まで禁止。ただし、 ヨルダン川西岸とガザ地区の人道的プロジェクトに1億7500万ドルの資金が別途割り当てられた。