■Tシャツにプリントされているのは…
そして同ブランドのユニークな点は、その謎がアパレルグッズそのものに「組み込まれている」という点。
同ブランドのTシャツやパーカーといったアイテムには、例えばオブジェを引っ張っている猫や、何らかの法則性に従って並んだ謎の記号、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』を連想させる鯨と本の融合したような生物などがデザインされている。
これらは単なるデザインではなく、同時に「暗号」なのだ。
そのため同ブランドのショップに入店した際は、多数の謎に囲まれる…という、謎解き好きには堪らないシチュエーションを楽しめる。入口では、頭の整理用に筆記具とメモ用紙を配布しているので一安心だ。
アイテムのデザイン(=謎)は名だたるインフルエンサーらが手掛けており、個々人の個性やセンスが反映されているのもポイント。
■「サイズ表記」と思いきや…
去る1月14日、記者は東京港区の「+8 Gallery&Studio」にて期間限定でオープンしたショップに足を運んだ。
服はジャストサイズで着ることが多く、小柄な体型である記者はTシャツのサイズはXSかSサイズと決めている。そのため商品のサイズは念入りにチェックする派なのだが…値札のサイズ表記に違和感が。
なんと服のサイズと思ったアルファベットは「難易度」のサイズと判明。そう、トキキルの商品は「服のサイズ」でなく「謎の難易度」をS〜XLで表示しているのだ(服はいずれもフリーサイズ)。
店頭でかわいらしいデザインの服の値札を見て「服はかわいいのに値段はかわいくない…」と絶望した経験のある人は多いと思うが、トキキルでは「服はかわいいのに難易度はかわいくない…」という、絶対に他のブランドでは味わえないジレンマを楽しめる。
なお、XLのTシャツに関しては「謎を解くのに大量の時間を要する」という理由から、異例の「解けなくても買えます」という措置がとられていた。
そう聞くと「他の問題もアホのように難しいのでは…」と尻込みしてしまうが、店内のスタッフがヒントをくれるので、安心して「謎解き」という名の買い物を楽しんでほしい。
次回は22〜25日にかけて、新宿区歌舞伎町「東京ミステリーサーカス」にて出店予定。入店にはチケットが必要となるため、気になる人は早めにチェックしておこう。