磯野真穂氏との対談 イベントの実施は前月
2021.11 2回目接種率で、日本がG7のトップに
2021.12 3回目接種が医療従事者から順次開始
2022.2 『文藝春秋』(3月号)
「第一波以降、日本人は「いやいや。ワクチンが普及するまで『持ちこたえる』ための自粛だったんだ」とする物語に、無自覚に飛びついた気がします。だから人流抑制の効果や、ワクチンの安全性を少しでも疑う人は、不愉快なので非国民扱いして排除する。」
「ひたすら耐えて「ワクチンの完全普及を待つ」心性も、大戦末期の神風頼みと同じ。そして海外からはむしろ複数回接種・未成年の接種への懸念が聞こえてきたいまも、なおワクチンに固執する。正直コロナより、この国民性が怖いですよ。」
浜崎洋介氏との対談 203-4頁
2022.5 拙著『過剰可視化社会』
個人の自由という観点に立つとき、ワクチン・パスポート(接種証明書の提示による、活動制限の緩和や特典の付与)や、PCR検査の徹底は、問題含みの政策です。ワクチンを接種しない理由には、体質によるものはむろん、思想・宗教上の理由による場合もあり、接種したか否かを公的な場で問うことは病気の告白の強要や、事実上の「思想チェック」になる危険性もある。
「コロナワクチンを普及させる際、本来あるべき態度は「打っても打たなくても、あなたが責められることはないですよ」という説き方だったと思うのです。打てば副作用・打たなければ感染のリスクがある以上、確かに自ら選ぶことには苦しさが伴う。 こうしたときに、どちらを選んでも責められない状況をつくっていくのが、「信頼」に基づいて社会を営む方法でしょう。「専門家が打てと言ってる。従わないとひどい目をみるぞ!」と不安を煽る手法は、完全にその逆です。」
11、211-2頁 後者は磯野真穂氏との対談
2022.7 接種後死亡者に初の救済認定(一時金支給)
2022.12 『表現者クライテリオン』(1月号)
教条的に反ワクチンに固執する集団はカルトと呼んで差し支えないが、急造されたコロナワクチンに「副作用はない」「打ち続けることで救われる」といった主張もまた、人が危機の中ですがりつく代替宗教にすぎなかったことが露わになり始めた。ワクチンの追加接種率の向上と相関して(コロナ以外の死因による)超過死亡がむしろ増大する現象が日本を含む諸国で観察され、ニュージーランドでは学術的な検証も始まっているという 。 接種は基礎的な免疫にマイナスではなかったかと問う「合理的な疑い」が広まってしまった以上、コロナワクチンへの信頼はもはや社会の全体が合意するものではなく、遠からず一人ひとりの「信仰」に等しいものへと凋落しよう。
後に『危機のいま古典をよむ』に再録 同書17頁
2023.3 接種と死亡の「因果関係」を初めて認定
2023.5 「5類移行」に伴い日本のコロナ禍終了
年表的な事項は、主にNHKのワクチン報道まとめを参照しました。
(ヘッダー写真は、若年層に3回目接種を促す2022年5月の政府広報動画での岸田文雄首相。なお、ワクチンに感染自体を防ぐ効果は乏しいとする指摘は、すでに前年には世界で広くなされていた)
編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2024年4月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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