サードウェーブは6月19日、都内のイベント会場で記者会見を開催。井田晶也取締役最高執行責任者(COO)副社長執行役員が、8月1日付で取締役社長兼COOに就任する人事を発表した。尾崎健介代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)は、代表取締役会長兼CEOに就任する。あわせて井田副社長が42期(2024年8月~25年7月)の事業方針を発表。コマーシャル事業(法人)を伸ばして、5年後に売上高1000億円を目指す。
「IT業界で顔が広く、to B市場をよく理解している」
社長交代の狙いについて尾崎社長は「これまでは、B to C事業を中心に強みを持っていた。現在、生成AIが市場で広がる中、これからはエンタープライズの市場におけるB to B事業をより拡大させていく」と語った。
井田副社長については「IT業界で顔が広く、B to B市場をよく理解していて、ネットワークや営業力がある。よりわかっている人物が社長として会社を運営していくのがふさわしい」と判断した。
売上高1000億円のうち約3割をコマーシャル事業でつくりたい
続いて井田副社長から、新社長に就任するビジョンと、42期(24年8月~25年7月)の事業方針が語られた。ビジョンについては「Future Unleashed(未来を解放する)」を掲げ、「創業40周年を迎え、尾崎社長が築いたサードウェーブの可能性や潜在力を解放して未来に向かって進んでいく」と語った。
サードウェーブの売上高は順調に拡大している。21年7月期は646億円、22年は754億円(16.7%増)、23年は760億円(0.8%増)となり、24年も増収が見込まれている。
同社の売上高の多くはコンシューマ向けPCやPC専門店「ドスパラ」などで占められている一方、今後は伸び率の高いコマーシャル事業をさらに伸ばす。24年7月期は、コマーシャル事業で1.5倍以上の成長が見込まれているという。
コマーシャル事業を3年後に2倍に伸ばしていくことで、5年後に売上高1000億円を目指す。そのうち約3割をコマーシャル事業が占めるイメージを描く。
コンシューマで培った強みをコマーシャルで展開
ハイエンドPCのBTO事業を得意とするサードウェーブが法人市場で注力するエリアは、(1)CADデザイン、(2)ゲーム開発、(3)映像制作の三つ。業種や業態に特化したターゲットへの取り込みを強化しながら、井田副社長は「日本を代表するPCメーカになることを目指す」と語った。
具体的には、コンシューマ市場で培ったきめ細かい対応をコマーシャル市場で展開する。生成AIが企業で当たり前のように使われるようになると、エッジAIを搭載したコマーシャルPCの需要は今後も増加し、CPUもより高性能なものが求められていく。
そうした中、企業ごとに異なる要望に合わせたコマーシャルPCを製造し、素早く納品するというコンシューマ市場で培ったノウハウが活かせるという。とりわけ、綾瀬の生産工場、海老名のカスタマーサービス、平塚の物流拠点の三つから提供する「国産PC」を法人向けでも展開できる点は同社の大きな強みとなるだろう。
さらに、全国で展開するドスパラがハブとなり、地域のSMB市場や文教市場に進出することもできる。
最後に環境に配慮した製品開発と持続可能なビジネスモデルの推進でも、コンシューマで培った下取りサービスやリファビッシュ品の再販などをコマーシャル市場で展開していくことを視野に入れていく。(BCN・細田 立圭志)
提供元・BCN+R
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