JAL(日本航空)のファーストクラスの座席が、快活CLUBの個室でも味わえるのではないかと話題になっている。もちろん、空の上の移動手段と陸上の固定空間をまるで同じ基準で比較するわけではないが、一定の時間を過ごす個室としてみた場合、意外とその快適具合は近いのかもしれない。
話題のきっかけとなったのは、あるXユーザーが9月23日に「JALファーストクラスの写真見てみたけど、快活クラブで味わえる気がしないでもない」とつぶやいたことによる。瞬く間に拡散され、700万回以上表示されるほど注目を浴びた。また、「窓があって空の景色があれば同じ」など同調する意見も多くあがっている。
確かに、JAL国際線に使われているファーストクラスの写真と、快活CLUBの個室の写真を見比べると、似ているように思える。広さはエアバス「A350-1000」のファーストクラスの場合はダブルベッドサイズなので広めだが、「JAL SUITE」の場合は快活CLUBの一人用の部屋と大差はない。また、快活CLUBにはさまざまな広さや座席の種類があり、好みに合わせて選ぶことができるため、どちらかに軍配が上がるものではない。
さらに、“モニターとソファーベッドがあるプライベート空間”という点でも、造作は近いといえる。ただし、寝具については特別仕様の「エアウィーヴ DUAL MODE」「エアウィーヴピロー S-LINE」を使用している分、JALのほうが高級だ。モニターの大きさを比べると、快活CLUBは32インチ(席によっては27インチ)、JALはA350-1000では43インチで、JAL SUITEでは23インチとなっている。
PCを利用して仕事やゲームなどをする場合、PC性能や高速回線というスペック比較をすると、圧倒的に快活CLUBに分がある。JALの場合は、インターネット利用よりも映画などを観賞することが中心的な使い方になるだろうか。
こうしてみると、プライベート空間としては確かに似ているように見える。もちろん、本来はただ椅子に座って移動するだけの飛行機の中で、個室を独り占めできるという特別感と、さまざまなサービスが付加されることがファーストクラスの核心であるので、快活CLUBと似ているからといって、価値が下がるものではない。
たとえば、ファーストクラスが享受できるサービスとしては、機内食が高級レストランや料亭のシェフが作った料理を堪能でき、シャンパンをはじめ専門家が厳選したワインや日本酒などの酒のほかコーヒーなども高級品種を楽しめる。また、搭乗前に利用できるラウンジも、ファーストクラス乗客だけが入ることが許される特別な空間もあり、優先的に搭乗したり荷物も指定場所に届けてもらえるなど、多くの特典がある。
ただ、ファーストクラスに乗る機会がない一般人にしてみると、気軽にファーストクラス体験を味わうことができると思えば、快活CLUBに行く楽しみが増えるのではないだろうか。「身も蓋もないことを言ってる」と比較すること自体を無意味だと切り捨てる意見もあるが、「快活CLUBの個室でファーストクラスごっこをするのも楽しいはず」と新しい遊び方を提案する向きもある。さらに快活CLUBには、ビジネスホテル並みの設備の個室や、カラオケ、ダーツ、ビリヤードといったアミューズメントも充実している。移動こそできないが、楽しむための空間としてはJALにも負けていないだろう。
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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