実に容赦ありません。
こういう個人主義がオランダの考え方です。
そして極めて合理的です。
だから安楽死も認めているのです。死にたいのも権利だし個人の決定です。人生の中心は個人の意志で誰かが決めたことでも教義でもありません。人間中心主義です。教会を否定した欧州の近代の核です。
オランダの過激なリベラルさはイギリス人でもビビるほど。
その一方でアムステルダムを始めとするオランダの都市は東京に比べても恐ろしく多様性があります。コスモポリタンです。様々な税控除や企業支援で世界中から高度技能者や企業がやってきます。オランダに欧州本社を置く企業も多いのです。
性にも大変開放的で、毎年大きなプライドパレードが開催されます。
ルールは細かいのですが明白です。金融やビジネスは大変合理的で契約社会なので仕事をする上では安心感があります。(私はオランダと仕事するとホッとします)
ルールはしっかり守るので、マンションや住宅の騒音には非常にうるさいですし、日本のようなブラック労働は無理です。働く側に訴えられてしまいます。その代わり曖昧さを嫌うので柔軟な対応はやってもらえません。契約書や要件定義を重視です。
合理的にやってきたので、オランダは小国でありながら実に健全な成長を遂げています。ここ20年の経済パフォーマンスは日本よりずっと良いのです。無駄は省き合理性を追求する国民性がここ最近の情報産業や金融にぴったりとあっています。
オランダの合理性の中心にあるのは近代合理主義であり、無駄を省いたシンプルさであり、極めてプロテスタント的な価値観なのです。プロテスタントの教会はほとんど飾りがなくシンプルなのに似ています。
だから個人の自由を制限し、教義に従わせ、宗教が生活の中心であるイスラム教徒とは極めて相性が悪いのです。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?