多忙の価値
多忙は悪、みたいな見方が多いが自分はうまく付き合えばいいと思っている。前述の通り、暇になると人間はろくなことを考えない。老化やその先にある死をもんもんと考えたり、生きる意味とか日本を襲う潜在的災害の恐怖など本当に良くない思考に染め抜かれてしまうこともある。
だが質のいい多忙ならハイになれる。質のいいとはどういうことは?仕事の裁量が任されており、頑張ればなんとかなるギリギリのライン内で忙しいということだ。ダラダラしていたら終わらないので、優先順位をつけてバンバンスピーディーにタスクをこなしていく。夕方には疲労困憊するほど高出力エネルギーだが、なぜか心は晴れ渡るように明るい。頑張ってギリギリ時間内に終えたら「いい仕事ができた」という満足感がある。誰しも忙しい間は他人への嫉妬や将来不安なんて何もないはずだ。
自分が提唱したい理想とは、本質的にはひまな立場で期限のない仕事をするも、主体的にやりたことを数多く抱えて自ら勝手に忙しくなっている状態である。これは楽しい。毎日眠る時には「さあ明日も朝早くから起きてあれとこれをやるぞ!」とワクワクして目を閉じる。常にご機嫌でいられる。
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多忙はダメ、ヒマは理想、みたいに言われるが人類の歴史とはすなわちヒマを克服する歴史であることを考えるとヒマはとにかく素晴らしい!などと言えない。個人的には意識的に上手に忙しくして余計なことを考えず、楽しいことだけにうまく付き合っていく生き方をしたいと思う。そのためには多忙とヒマをテクニカルに乗りこなす力が求められるのではないだろうか。
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