われわれ日本人は特に学業成績と仮定の経済環境の相関が強いと考えているがそのような相関は実に弱いということである。
ただし、知能が高いカップル同士の子供でも、確率的には平均に回帰するので親の知能と同程度になる可能性は低くなるという。
つまり誰でも勉強を頑張れば学力が向上するというのは間違いということにもなる。
もともと共有環境の影響は大きくないのに、そのうちの半分くらいは、じつは遺伝で説明できるかもしれない。日本でも親の収入が子どもの人生に決定的な影響を与えるとされ、“親ガチャ”などといわれますが、その影響がかなり限定的だというのは、貧しい家に生まれた子どもにとっては勇気づけられる結果ですね。
親ガチャの影響というのは巷間で言われるほど大きくない。人生は切り開けるということである。
“親ガチャ”を言い訳にできないということに勇気づけられるかどうかは、読者次第であろう。
本書で語られるのは残酷な「成功法則」でもあるが、希望の書としたい。
運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」 (NHK出版新書)
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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