スリランカは、新型コロナウイルスによって観光業が低迷し、外貨準備の不足から深刻な経済状態に陥っています。

破産国家としてIMFに経済支援を求めるとともに、各国に支援を呼びかけています。報道によれば、中国、インド、日本といった援助国による会合開催の目処が立たず、ロシアにも支援要請をしているそうです。

私は以前スリランカで不動産投資を検討したことがあり、その時にスリランカが戦後日本に対して大きな貢献をしてくれたことを知りました。(写真は以前現地に出かけた時のコロンボの中心部)

ウクライナには優しく、スリランカには冷たい日本
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

在スリランカ日本大使館のウェブサイトにはこのような記載があります。

スリランカのジャヤワルダナ元大統領は、1951年のサンフランシスコ講和会議にセイロン代表(当時蔵相)として出席し、「憎悪は憎悪によって止むことなく、愛によって止む(hatred ceases not by hatred, but by love)という仏陀の言葉を引用し、対日賠償請求権の放棄を明らかにするとともに、日本を国際社会の一員として受け入れるよう訴える演説を行いました。

この演説が、当時の日本に対し厳しい制裁処置を求めていた一部の戦勝国をも動かしたとされています。

第二次世界大戦の敗戦によって、戦勝国による国家分割の危機にあった日本は、スリランカに助けられたとも言えるのです。

スリランカの力がなければ、日本はドイツや朝鮮半島のように国家が分断されたかもしれません。

困っているときに助けられた経験は、ずっと忘れないものです。これは国であっても個人であっても同じだと思います。

スリランカが困っている今こそ、過去に受けた恩を返すチャンスではないでしょうか?

連日の報道を繰り返すウクライナと、極めて冷淡なスリランカへの対応。

戦後にスリランカに助けてもらったことを、日本はもう忘れてしまったのでしょうか?

ウクライナには優しく、スリランカには冷たい日本
(画像=スリランカのシーギリヤロック
Stephen Green-Price/iStock、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年7月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

文・内藤 忍/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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