サフォーク郡地区検察局のレイ・ティアニー検事は、「看護師としての立場を利用し、ニューヨーク州のデータベースに虚偽の情報を記載し、法の抜け穴を利用した」と説明。「私服を肥やす目的で、パンデミック中の一般人の恐怖や不信感に付け込み」、証明書を偽造したと批判した。
デヴォーノ氏が経営する病院では、米疾病対策センターから3,174 回分のワクチンを無料で受け取っていた。病院では、ワクチン接種カードに嘘の情報を記入する代金として、大人1回につき220ドルから350ドル、子供は85ドルを受け取っていたという。未使用のワクチンは破棄された。
検察は、偽のカードを購入した顧客が訴追されるかどうかについては、明らかにしていない。
今回の事件では、ニューヨーク市警察に務める夫も捜査対象となっていた。夫妻は、売上の中から23万6980ドルを住宅ローンの返済に充てていた。
代理人のスティーブン・ゲイトマン弁護士は、デヴォーノ氏の行為は許されないとしつつも、ワクチン接種の義務化は「医療上の決定を下す際の個人の自由が妨げられている」と指摘。「政府による介入が、まさにこの問題を作り出し、育まれた」と加えた。
ニューヨーク市では2021年10月、市の職員に対するワクチン接種の義務化が施行され、警官や消防隊員らによる大規模な抗議活動が実施された。約1,800人の職員がワクチン接種証明書の提出を拒否し、職場を解雇された。なお、接種の義務化は今年2月に撤廃された。