大岩剛監督率いるU23日本代表は、日本時間今月30日に行われたAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選の準決勝で、イラク代表に2-0と勝利。FW細谷真大(柏レイソル)とMF荒木遼太郎(FC東京)がゴールを決めたが、イラク国内では主審の判定に対する疑問の声が挙がっているという。
日本は28分、MF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデンVV)がハーフウェイライン手前からディフェンスラインの背後へロングフィードを供給すると、これに細谷が反応。絶妙なタイミングでスペースへ飛び出すと、ペナルティエリアで相手DFを交わして右足を振りぬき、シュートをゴールマウス右下隅に突き刺した。そして42分には、再び藤田が自らのスルーパスからチャンスを演出。荒木がゴール前に抜け出し、右足のシュートから追加点を奪っている。
この2点のリードを守り切り、イラクを下した日本。しかし中東メディア『アル・アラブ・アル・ジャディード』は試合後、イラク国内から湧き起こっている批判の声として「日本の先制ゴールの場面では、直前に細谷のオフサイドがあった。イラク代表は審判にVAR(ビデオアシスタントレフェリー)を確認するよう求めた。主審の判定はおかしい」とリポート。
ただ、同メディアのジャーナリストであるガマル・アル・シャリフ氏は「藤田がロングフィードを供給した瞬間、細谷の位置はオフサイドではなかった。イラクの3選手が細谷をカバーしていたことは明らかだ」と疑問の声を一蹴している。
なお、この一戦ではオーストリア人のケイシー・ライベルト氏がVARを担当。同氏は16日開催のグループステージ初戦・日本対中国で主審を務めた際、相手選手への肘打ち行為に及んだDF西尾隆矢(セレッソ大阪)にレッドカードを提示したことで話題になっていた。細谷がゴールネットを揺らした後、VARでオフサイドチェックが入っただけに、X(旧ツイッター)ではゴール取り消しを心配する声も挙がっていた。