身内の死後、親族にとっては「亡くなった親族がしていた様々な契約の解除」は意外と大変な作業。たとえば解約のために医師の死亡診断書などが必要なサービスなどもあります。一方、もっと手軽なように感じるNetflixやSpotifyなどのサブスクリプションサービスは契約者の死亡後、どのように解約すればいいのでしょうか。

故人が加入していたサブスクは遺族にも全容把握が難しい場合がある

意外と知らない「Netflix」や「Spotify」は契約者の死後、どう解約するのか? 滞った支払いは請求される?
(画像=『オトナライフ』より 引用)

故人が加入したMicrosoftのOffice 365や動画配信のNetflixやU-NEXT、音楽配信サービスのSpotifyなどのサブスクは、契約期間満了後、自動更新の仕組みになっていることがほとんどです。そのため遺族が能動的に契約解除しないと支払いが継続しますが、故人が加入したすべてのサブスクを洗い出すことは遺族にも困難な場合があります。

サブスクリプションサービスは多岐に渡り、クレジットカードを登録して支払いをしている場合もあれば、通信キャリアやプロバイダーの料金と合算して支払いをしている場合もあるでしょう。また、サブのクレジットカードなどを利用し、もしかしたら家族に内緒で加入しているサブスクもあるかもしれません。

「故人が加入していたことが確実にわかる」サブスクの解約はできても、「すべてのサブスクを余すことなく解約する」のは実は意外と難しいのが現状でしょう。

最も効率的な解決方法は「引き落とし先の凍結・停止」

故人の「すべてのサブスクリプションサービスに対する支払い」を止める最も効率的な方法は、引き落とし先の口座やクレジットカードを凍結または停止することです。これにより引き落とし先そのものが停止されるため、必然的にすべてのサブスクの支払いが止まります。

ただし「引き落とし先の凍結・停止」は効率的な解決方法ですが、この方法でも問題が解決しない場合があります。たとえばクレジットカードは「支払い義務がある状態では退会できない」場合もあります。

口座を凍結した場合も同様で「口座が凍結しているため支払うことができないだけで、あくまで支払い義務は残っている」状態となります。つまり「今後の請求を止める」には口座やカードの停止が有効ですが、過去の延滞分の請求などは問題として残りえます。

延滞分の請求が発生する可能性もある
サブスクリプションサービスの中には、契約者の死亡後も自動更新が続き、延滞分の請求が発生する可能性があります。特に、死亡の事実をサービス提供者に通知せずに時間が経過した場合、未払い金が蓄積されるおそれもあるでしょう。

そもそも遺族は故人のサブスクの支払い義務を相続する必要がある?

多くの人が疑問に思うのは、そもそも遺族が故人のサブスクリプションサービスの支払い義務を相続する必要があるかどうかという点でしょう。民法896条の「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」という文言に照らし合わせれば、サブスクの未払い分も相続する人が負担する必要があると考えられます。

一方でサービス提供会社によっては、故人との契約は死亡をもって終了するとの規定を設けているところもあります。

加入者が死亡した後も支払いが継続した場合、その分の支払いまで遺族が行わなくてはいけないのかといった点は議論になりえる点です。

Netflix同様に「何も見ていない状態が継続するとアカウント停止」の仕組みが期待される

サブスクリプションサービスが大きく普及を始めてから年月が浅いこともあり、「故人が加入したままになっていたサブスクの料金支払い」に関する裁判例や判例は、少なくとも国内では充実していないのが現状です。

意外と知らない「Netflix」や「Spotify」は契約者の死後、どう解約するのか? 滞った支払いは請求される?
(画像=(画像は「Netflix」公式サイトより引用),『オトナライフ』より 引用)

とはいえ今後、シニア層にもスマホが大きく普及したことを踏まえると「高齢者によるサブスクの加入」と「契約者本人の死後、遺族が相続した場合、サブスクの支払い義務も引き継ぐのか」は論点になりえるでしょう。今後、国内でも裁判例が登場するかもしれません。

もっとも「契約者の死後の対応」は、サブスク事業者の側の規約改定などが期待される点でもあります。故人など「まったく利用の痕跡がないユーザーに対して数年以上に渡って請求し続けている」といったことが起こるのでは、そもそも事業者に対する悪印象を抱くユーザーも多いでしょう。

たとえばNetflixは利用の痕跡がない状態が2年継続した場合、アカウントが自動停止する仕組みを取り入れています。ごく自然にユーザーが亡くなってしまった場合の対策及び遺族の負担減を、仕組みとして実現できているといえるでしょう。こうした仕組みが広がることも期待されます。

※サムネイル画像(Image:DANIEL CONSTANTE / Shutterstock.com)

文・ オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ

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