なぜ解約できない事例が相次ぐのか
だが、SNS上には同じような体験をしたという報告が相次いでいる。
「うちも親が亡くなってしばらくしたらNHK解約手続きするんだけど… 契約者亡くなってるのに解約できませんて悪質すぎる」
「ばあちゃん亡くなった時、支払いの封筒に書いてある電話番号に掛けても全然出なくて、ばあちゃん家の地域の放送局に電話したらやっと繋がって「亡くなったんで、解約したい」って言ってもめちゃくちゃ渋られた記憶。 同居無し、テレビは親戚が持って帰ったから無いって言ってんのに話通じんのよな」
「これ全く同じ状況… 今年から同居して先月亡くなったんだけど父がJCOMでNHKも一緒に払ってて解約しようとしたら家に住んでるなら無理の一点張り。 TV捨てて連絡してみるしかないけどそもそも死亡した人の契約を継続させようとするのっておかしいよなぁ。まず解約させろよ」
「引き落とし出来なかった分は、滞納金としてまとめて請求が来ます 請求を無視してると裁判起こすぞという脅迫書面が送られて来ます 亡くなった人、しかも121歳の祖父宛に」
これらの投稿を見ると、契約者が亡くなっても、なかなか解約に応じてくれないNHKの様子がうかがえる。この背景には、NHKの受信料収入の減少があると大手新聞社社会部の記者は言う。
「NHKの受信料は2018年をピークに、減少傾向が続いています。しかも昨年度は値下げの影響もあり、過去最大の下げ幅となる396億円減でした。また、NHKとしては国民全体に広く受信料を払ってもらうため契約数を増やしていくことが前提で、減らしたくないという意図が見えます。来年10月にはネット受信料を導入する計画で、スマホでテレビを見る人にも課金されることになります。こうなると、テレビを持っていながら受信契約を結んでいない家があれば、受信料を払っている人からは不公平との不満がますます高まることは容易に想定されます。そのため、受信契約を減らすことは極力避けたいというのが本音でしょう」
実際にNHKは、サブスクリプションによるネット配信サービスとは性格が異なるとして、「解約方法などの面でなかなか融通が利かない部分もあるのは確か。ただ、入ったりやめたりが簡単にできるというのは受信料制度と違ってしまう」と説明している。
つまり、気が向いたら入る、あまり見なくなったからやめる、といった気軽に入退会できる制度ではない、との主張ではあるが、それでも公共インフラとして、一定の要件を満たした場合には、スムーズに解約に応じる体制は整えるべきではないだろうか。
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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