こんにちは!2024年6月に日本遺産検定を取得し、日本遺産ソムリエとなった土庄(とのしょう)雄平です。「日本遺産」とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーのこと。現在、全部で104のストーリーが認定されています。

連載【私の好きな日本遺産】では、これまで全国を旅した経験の中から、筆者イチオシの日本遺産をピックアップし、その魅力や名残あるスポットをご紹介したいと思います。

第6弾は、綿花栽培の歴史が彩る「倉敷」 です。

目次

  1. 倉敷と綿花栽培とは?
  2. 綿花の繁栄がもたらした倉敷の象徴と言える町並み
  3. い草の名産地として栄えた早島。岡山ゲストハウスいぐさに宿泊
  4. 夕方から夜にかけて歩きたい倉敷美観地区

倉敷と綿花栽培とは?

【私の好きな日本遺産】綿花栽培の歴史が彩る「倉敷」〜繊維の町として栄えた隣町もご紹介〜
(画像=『たびこふれ』より 引用)

倉敷は江戸時代から続く伝統的な町並みで有名で、特に美観地区には白壁の蔵やなまこ壁の建物が並んでいます。もともとは海で大小の島々が浮かんでいましたが、干拓されて陸地となりました。

しかし、元が海だったため米の栽培には適さず、その代わりに綿花の栽培が盛んになりました。この綿花が織物産業の基盤となり、地域の発展に大きく寄与しました。

綿花の繁栄がもたらした倉敷の象徴と言える町並み

【私の好きな日本遺産】綿花栽培の歴史が彩る「倉敷」〜繊維の町として栄えた隣町もご紹介〜
(画像=『たびこふれ』より 引用)

倉敷美観地区には、綿花産業がもたらした繁栄の跡を見ることができます。現在も倉敷川沿いには、当時の荷揚げ場や石畳の路地、常夜灯が残り、白壁の商家が並んでいます。これらの歴史的景観は、綿花産業の富の象徴です。

美観地区を流れる倉敷川沿いには柳が揺れ、その風景はまるで絵画のようです。当時の商人たちが行き交う姿が目に浮かびます。古い町並みの中には、美術館やカフェ、土産物店などが点在し、散策を楽しめるのも魅力です。

【私の好きな日本遺産】綿花栽培の歴史が彩る「倉敷」〜繊維の町として栄えた隣町もご紹介〜
(画像=『たびこふれ』より 引用)

また、倉敷アイビースクエアは、かつての倉敷紡績工場を改装した複合施設で、ショッピングや宿泊、文化体験ができる場所として人気です。特に、緑豊かな中庭やツタに覆われた建物が印象的で、歴史情緒と現代らしさが共存しています。

この地で始まった綿花栽培は、倉敷紡績所(現在のクラボウ)をはじめとする多くの繊維メーカーの誕生につながりました。戦後には縫製技術が大きく発展し、倉敷はジーンズの聖地として世界的に知られるようになっていきます。

い草の名産地として栄えた早島。岡山ゲストハウスいぐさに宿泊

【私の好きな日本遺産】綿花栽培の歴史が彩る「倉敷」〜繊維の町として栄えた隣町もご紹介〜
(画像=『たびこふれ』より 引用)

そんな倉敷ですが、実は隣町の早島町にも注目です。早島町は古くからい草(畳の材料)の名産地として栄え、特に江戸時代には「早島表」として全国に供給され、日本人の生活を支えてきました。

現在ではい草の栽培は縮小しましたが、町のあちこちにその名残が見られます。特に訪れてほしいのが「岡山ゲストハウスいぐさ」です。このゲストハウスでは、い草栽培の復活と地域の活性化を目指しており、その魅力を世界に発信しようという熱い思いが込められています。

【私の好きな日本遺産】綿花栽培の歴史が彩る「倉敷」〜繊維の町として栄えた隣町もご紹介〜
(画像=『たびこふれ』より 引用)

名前やコンセプトにもあるように、い草へフォーカスしたこのお宿の中には、カーペットから部屋の装飾、コースターなど小物に至るまで、実に様々な箇所にい草が散りばめられています。

どれも個性的な模様で見応えがあり、い草ならではの落ち着く香りが建物内を漂います。まるで田舎のおばあちゃん家へ帰ったときのような癒しの空間にホッと一息つけるはず。

岡山ゲストハウスいぐさ

  • 住所:岡山県都窪郡早島町前潟615-1
  • TEL:080-1299-6349

夕方から夜にかけて歩きたい倉敷美観地区

【私の好きな日本遺産】綿花栽培の歴史が彩る「倉敷」〜繊維の町として栄えた隣町もご紹介〜
(画像=『たびこふれ』より 引用)

最後にご紹介した倉敷ですが、日中だけでなく夕暮れから夜にかけて散策するのもおすすめです。レトロな建物がライトアップされ、まるで時代劇の世界に迷い込んだかのような雰囲気を楽しめます。

暗闇の中から浮かび上がる倉敷格子や白壁の建物、それらが川面に映し出される姿は幻想的で美しいです。川沿いに並ぶ枝垂れ柳も夜の清々しさを引き立てています。

倉敷美観地区

  • 住所:岡山県倉敷市本町

文・写真・土庄雄平/提供元・たびこふれ

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