栃木SC 写真:Getty Images

 栃木SCは11月19日、強化部長兼スポーツダイレクター(SD)である山口慶氏の辞任を発表した。

 山口氏は2002年、名古屋グランパスユースからトップ昇格。選手会会長も務める中心選手として活躍した後、2010年にジェフユナイテッド千葉へ移籍。2014年に12年の現役生活にピリオドを打ち、一般企業に就職したが、2019年栃木SCにスカウト担当として入団した。2019年には強化部長代理となり、2020年には強化部長に昇格。2022年以降はスポーツダイレクターも兼任した。

 栃木SCは今2024シーズン、J2リーグを18位に終わり2度目のJ3降格となったものの、13日には小林伸二監督の続投を発表したばかり。このタイミングでの辞任発表に違和感を覚えたサポーターも多く、ポータルサイトのコメント欄は戸惑いの声で溢れている。

 山口氏は、クラブ公式サイトを通じて「これは私自身の判断であり、クラブの将来を考えた上での結論です」とコメントし、降格の責任を取ったことを強調した。しかし、降格そのものの責任というよりも、田坂和昭監督(2019-2021)、時崎悠監督(2022-2023)に続き、今2024シーズン監督未経験の田中誠氏(5月解任)を招聘して大失敗に終わったことで、自身の監督を見る目のなさが招いた結果ともいえる。

 しかし、小林監督を続投させるならば、自身も留任で良かったはず。山口氏の退任の決断と小林監督の続投が決まった際の、公式サイト上に掲載された苦悩が見え隠れするコメントを読み返した上で総合すると、クラブ内部では「続投派」と「解任派」に二分されていたのではないかという疑問が沸き上がる。そして、「解任派」だった山口氏が、6年間も在籍したクラブを離れる結果となったのではないのだろうか。

 小林監督続投で、J3を戦う来2025シーズンに向けて一枚岩と思われていたところで明らかとなったこのニュース。空席となった強化担当は誰になるのか、小林氏の兼任もあり得るのか、1年でのJ2復帰へ向けて、新体制の構築は急務だ。