ファビオ・カリーレ監督 写真:Getty Images

 ブラジル1部昇格を果たしたサントスは、ブラジル代表FWネイマール(アル・ヒラル)を獲得する可能性が報じられる中、11月18日にファビオ・カリーレ監督の解任を公式発表。MFジョアン・シミッチ(元名古屋グランパス、川崎フロンターレ所属)、MFディエゴ・ピトゥカ(元鹿島アントラーズ)を重宝した元V・ファーレン長崎指揮官に対して、クラブが巨額の負債を抱えているという。

 サントスは2023シーズンにクラブ史上初めて2部へ降格すると、すでに長崎と契約更新していたカリーレ氏を招へい。シミッチ、ピトゥカら新戦力を獲得すると、元Jリーガーの活躍もあり、わずか1年で1部復帰。ただ監督人事を巡り、ファン・サポーターからの批判が相次ぐと、クラブは監督交代に踏み切っている。

 ブラジルメディア『グローボ』が19日に伝えたところによると、サントスはカリーレ監督との契約を2025年12月まで残していた模様。違約金として260万レアル(約7000万円)、ブラジル2部リーグ優勝による賞金として150万レアル(約4000万円)、あわせて410万レアル(約1億1000万円)を支払う必要があるという。

 またサントスは1部昇格を果たしたとはいえ、依然として厳しい財政状況に直面。ただ両者の関係は良好とみられ、数日以内に分割払いで合意に達する見込みだという。

 なおカリーレ監督の二重契約を巡っては、長崎は2月15日までにFIFA(国際サッカー連盟)へ提訴したものの、FIFAは8月31日に「FIFAでは裁定ができない」と通達。長崎は「この決定は、カリーレ氏らの一方的な契約破棄を正当なものと認めたものではなく、FIFAが判断の主体として適当ではないことのみを示したに過ぎません。したがって、当クラブは今回の決定を精査し、改めて適切な法的機関にて適切な判断を求めるべく、今後の対応を検討してまいります」と声明を発表している。