複数の車を維持しているご家庭では、ファミリー用のミニバンや通勤用の軽など、用途によって異なる車種を使い分けているケースが多いと考えられます。しかしなかには、「ミニバン2台」「SUV2台」など似たような車を並べているご家庭もあるでしょう。
さらに珍しい状況として、「同じ車種」を複数所持しているパターンもあるようです。端から見れば「なぜ同じ車を?」と思ってしまいますが、一体どのような事情があるのでしょうか。
「知らない車だと不安」という声
まず話を聞いたのは、フィットに乗る20代の女性です。家の駐車場には2台のフィットが並んでいるといいますが、一体どうしてなのでしょう。
「就職するときに通勤で車が必要になり、自分用の車を買うことになったんですけど、慣れない車だと怖いので母と同じものを選びました。これまで運転した車は教習車と母の車だけで、ほかの車のことは何もわからないんですよね。
お父さんはやっぱり、『どうせなら違うのにすればいいのに』と呟いていましたけど。でも、ディーラーの担当さんも同じ人に見てもらえますし、その辺は面倒じゃなくていいと思います。
あとは家の駐車場が縦に並べるかたちなので、どちらが前になっていても同じ感覚でサッと乗れるのは便利ですね」(20代女性)
とくに初心者の頃は、慣れない車を運転することに大きな不安を感じるものです。購入前にディーラーで試乗してみても、限られた時間のなかで「気づかなかったポイント」が残る可能性もあるでしょう。
そのような面から見れば、「もともと家にある車」を選ぶという選択は、一種の安全策といえるのかもしれません。
「あえてお揃い」でオシャレな印象に?
続いては、夫婦で同じ車種に乗っているという20代の女性です。どうやらあえてお揃いの車に乗っているようですが、どんな背景があるのでしょうか。
「もともと車が必須の地域に住んでいたので、就職してすぐハスラーを買ったんですよ。ただ、夫の方は都心の方に勤めていたので、車はもっていなかったんですね。
結婚してからは夫の職場が変わり、車が必要なエリアに引っ越したので、夫の車も買おうって話になって。それで、冗談のつもりで『新型を買って、新旧並べてみる?』といったら、夫が『それいいかも』と乗ってきたんですよね。
ビックリしましたけど、まだ子どももいないし、維持費的に軽2台なのは確定なので、だったら好きなのを並べてもいいのかなって。並べてみると意外と違いがあって、優しい目つきの旧型とシュッとした顔の新型で、私たちとしては気に入っているんです。
これから子どもができたら、たぶん私のハスラーをスライドドアの車にすると思いますけど、それまではこれでいいかな。建売の家にちょっと遊び心が出る感じもありますしね」(20代女性)
ご夫婦のそれぞれに車が必要であり、また互いの好みが近い場合には、あえて同じ車種で揃えるのも面白いかもしれません。ハスラーのようにポップなデザインの車であればなおのこと、家の外構を飾るアイテムとして目を引きそうですね。
義実家と同居、初孫を喜ぶ義父が…
最後に紹介するのは、ご自宅の駐車場にノアとヴォクシーを並べているという30代の女性です。よほどの大家族でないかぎり、ミニバンは1台あれば十分に思えますが、どうして兄弟車を揃えているのでしょうか。
「6歳になる息子がいるのですが、この子が3歳になるあたりで夫の両親と敷地内で同居しはじめたんです。当時の車は夫が結婚前から乗っていたコンパクトカーで、子どもが生まれてからもとくに不便に感じていませんでした。
それで、家を建てている間に、なぜか義父が自分の車をノアに買い替えたんですよね。『小さい子がいるから、やっぱりこういう車の方がいいだろ』って。
しかも、実際に引っ越してしばらくすると、義父が今度はこっちの車にも注文をつけてきたんですよ。『そんな小さい車じゃ子どもが可哀想じゃないか。費用は負担してやるから大きいのを買いなさい』と。
口を出してもややこしくなりそうなので、夫と相談して、運転しやすそうなシエンタをお願いしてみたんです。でも義父は『遠慮しなくていいから』といって、ほとんど独断でヴォクシーに決めてしまったんですよね。
やっぱり子育てにミニバンは便利で助かっていますけど、2台ある意味は正直よくわかりません。たぶん義父としては、全員で外食に行くときなんかに『自分の運転でみんなを乗せたい』という気持ちなのかもしれません」(30代女性)
上のお話にもあるように、2つの世帯が同じ敷地内で暮らす状況では、それぞれに「家庭用の車」が必要となるケースもあるでしょう。しかしお子様1人に対してミニバン2台というのは、少し過剰にも思えてしまいますね。
車選びの基準は実にさまざまであり、外からは「どうして?」と思えるような状況でも、本人のなかでは外せない理由があるものです。「どうしてその車を選んだか」というポイントから、その人の価値観が見えてくることもありそうですね。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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