地球上に君臨する人類のポストを虎視眈々と狙っている生物種がいるという。海の中からそのチャンスを窺っている次の地球の支配者とは――。

■人類滅亡後の地球に君臨する生物種は?

 もしも人類を滅亡させるほどの全面核戦争が起きた場合、地球上の地表のかなりの割合が生物の居住に適さなくなるが、それでも生物が全滅するわけではない。

 では人類が退場した後の地球に君臨するのはどの生物種なのか。

 オックスフォード大学のティム・コールソン教授は、人類が絶滅した場合にはタコのような頭足動物が世界を支配する「最有力候補」であると語る。

 コールソン教授はタコの「器用さ、好奇心、互いに意思疎通する能力、そして卓越した知性」は、タコが水中に広大なアトランティスのような文明を築くための複雑な道具を作ることができることを意味すると説明する。

「複雑な問題を解決し、物体を操作し、驚くほど正確にカモフラージュするタコの能力は、適切な環境条件が整えば、人類絶滅後に文明を築く種に進化する可能性があることを示唆しています。タコの高度な神経構造、分散型神経系、そして驚くべき問題解決能力は、予測不可能な世界に特に適しています」(コールソン教授)

 普通に考えると、人類がいなくなった地球で次に繁栄するのはチンパンジーやゴリラなどの霊長類ではないかと考えるのが自然であるかもしれない。霊長類は、物体を操作する能力があるため、長い間、文明の自然な先駆者と考えられてきた。チンパンジーやボノボなどのヒト科動物は賢く、道具を使い、人間のように二足歩行することができる。

 しかし専門家によると、たとえ生き残ったとしても、霊長類は捕食動物や競争に弱く、生息できる環境や生態系が限られており、繁殖率や発達が遅く、また霊長類は狩猟、親交、捕食動物からの防御などの協調的な社会的行動を伴う緊密なコミュニティに生存を依存しており、個体数が少ないため、変化した世界に適応するのに苦労しそうであるということだ。

 タコはすでに現実と仮想の物体を区別し、パズルを解き、周囲を操作し、器用な触手を使って複雑な道具を使い、深海の海溝から沿岸海域まで多様な環境に生息している。タコは過酷な環境でも生き延びるのが得意で、ハマグリ、エビ、ロブスター、魚、サメ、さらには鳥など、さまざまな獲物を捕らえる手強いハンターでもある。

 タコの寿命は1.5年から5年と比較的短いが、繁殖し、身体的および知的に非常に早く成熟する。また社交的な生き物ではあるが、タコは主に自力で生き延びており、霊長類のように厳格で協調的な社会的コミュニティに頼ることはない。

「タコが人間、そしておそらく霊長類に取って代わる可能性はあるでしょうか? もちろんあります。タコは巨大な水中都市を建設し、呼吸装置を装着して陸に上がって鹿を撃つでしょうか?  知るすべはありませんが、しかしそれを否定することはできません」(コールソン教授)

 次の支配者の座を狙うタコを喜ばせないためにも、人類はその座を“空位”にしてはならないことは言うまでもない。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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