伊東純也 写真:Getty Images

 興國高校(大阪)監督時代にFW古橋亨梧(セルティック)らを輩出した内野智章氏(現奈良クラブ・ユースコーチ兼テクニカルダイレクター)が、今月23日に自身のYouTubeチャンネルを更新。『週刊新潮』による性加害疑惑報道により、FW伊東純也(スタッド・ランス)がAFCアジアカップ日本代表から離脱した問題に関連して、育成年代が抱える問題点に言及している。

 『週刊新潮』のニュースサイト『デイリー新潮』は、アジアカップ決勝トーナメント1回戦バーレーン戦当日の1月31日に伊東の性加害疑惑を報道。日本サッカー協会(JFA)は二転三転した後、今月2日に同選手の代表離脱を公式発表。3日開催の準々決勝イラン戦で敗れただけに、ネット上では「伊東純也の不在が痛かった」といった声が挙がっていた。

 これについて、内野氏も伊東の代表離脱を「日本代表にとって痛い」とした上で、「30歳ぐらいの代表選手というのは基本的に替えがいないから、30歳超えても代表であるっていう部分は結構あると思う。伊東選手がいなくなった時に、右サイドで伊東選手のように縦に突破できる選手が代表にはいなかった」と、MF堂安律(SCフライブルク)では伊東の替えにならないとの見解を示している。

 また「替えがいないという部分で、招集した選手の中に替えがいないのか、日本人として替えがいないのか?」という質問に対しては、「日本人としていない。いたら絶対に代表に選ばれている」と断言。

 「育成年代の監督目線で言うと、『替わりとなる選手を育てられていない』というところに行き着いてしまう。森保監督の責任ではなくて、僕たち育成指導者の責任」とした上で、「(伊東のようなレベルの高い選手が)育つ環境を作れていないから育たない。素材は絶対にいる。伊東選手が王道で今の所にたどり着いたわけではないので。そう思わないと、日本代表は強くならない」と一石を投じた。

 なお内野氏は、今回の報道を巡って伊東を擁護する声や女性側と週刊誌に対する批判が多く見られることにも言及。「僕たちのレベルでは何が真実か分からないし、まだ事実として確定していない。憶測であれこれ言うのは違うと思う。伊東選手や相手方それぞれを批判したり、どちらか側についたりっていうのは必要ないことだと思う」と、有罪無罪の判決が出るまで静観する姿勢を見せている。