札幌ドーム 写真:Getty Images

 今月10日に北海道コンサドーレ札幌の明治安田J1リーグ2024シーズン・ホーム開幕戦(対浦和レッズ)が開催される札幌ドーム。プロ野球・北海道日本ハムファイターズのエスコンフィールド北海道(北広島市)移転に伴う巨額赤字、命名権(ネーミングライツ)の募集期間延長で注目を浴びる中、ここに来て新たな問題が浮上。ファン・サポーターの間で、Jリーグ秋春制移行に関する議論も湧き起こっている。

 札幌ドームは日本ハム移転により、2023年以降はプロ野球公式戦の開催がゼロ。コンサドーレのホームゲーム開催による使用料金や興行時の売り上げを主な収入源としているが、年間3億円規模の赤字が見込まれている。

 そんな中、札幌市と道内財界各社が第三セクター方式で出資する『株式会社札幌ドーム』は赤字補填を目的に、年間2億5000万円以上で2~4年間という条件で命名権の公募を実施。しかし公募期限の2月29日17時までに正式な申し込みがなかったとして、期限を延長。ネット上では札幌市に対する冷ややかな反応が多く見られる。

 巨額の赤字を抱える札幌ドームだが、設備面でも問題を抱えている模様。巨大な天然芝の「ホヴァリングサッカーステージ」で有名だが、一部報道によると札幌対浦和を前に芝の状態悪化が顕著であるとのこと。コンサドーレの選手たちは9日、一部で土が露出しているピッチを気にしながら全体練習を行ったという。

 また札幌市では9日夜から10日未明にかけて、19cmの降雪が観測。コンサドーレ公式X(旧ツイッター)では、地下鉄東豊線の福住駅から札幌ドームまでの道のりが案内されているが、道路一面に雪が積もっているほか、ドーム周辺では所々滑りやすい箇所もある。

 それだけに公式Xアカウントの投稿には「浦和サポーターが大変だろうな…」「スタジアムまで行くのに大変」「ドームだからまだ良いけど、秋春制移行で本当に大丈夫?」といった声が。シャトルバス運休による影響も指摘されている。

 今季ホーム開幕戦、対戦相手が浦和レッズということもあり、多くの来場者が見込まれる札幌ドーム。赤字問題にくわえて、ハード面やアクセス面での弱点も露呈している。