今月10日に明治安田J1リーグ第3節の北海道コンサドーレ札幌対浦和レッズが開催された札幌ドーム。赤字問題で揺れる中、天然芝のピッチコンディションが酷いと話題になっている。そんな中、日本代表OBの発言を巡り、札幌サポーターやJリーグファンの間で議論が白熱。札幌市議会議員がドームの構造について説明する事態に発展している。
コンサドーレの今季ホーム開幕戦は、ピッチの一部で土が露出するほどの悪条件で開催。浦和所属選手では、DFアレクサンダー・ショルツがハムストリングを痛めたほか、FW前田直輝とMF小泉佳穂が柔らかいピッチで筋肉に負担がかかり、途中交代を余儀なくされた。
それだけに、試合後には浦和サポーターから「札幌ドーム酷い」「プレーできる環境ではない」といった批判が噴出。札幌ドームの天然芝を問題視する声が挙がる中、一部報道によると、とある日本代表OBが「札幌ドームは野球用の作りなので、不思議な形をしている」と見解を述べたという。
この発言内容を受けて、X(旧ツイッター)では「ふざけたコメント」「日韓W杯を札幌でもできるようにするために造られた施設であるということを知らないのか?」「野球用ではない。野球もできるようになっているだけ」などと、反論が多数見られる。
すると、札幌市議会議員の成田祐樹氏も11日にXを更新。札幌ドーム公式サイトの説明文を引用した上で、「あの形状は雪降ろし不要の積雪地対応ゆえの形なんですよね…」と反応。「芝の状態が悪かったのは2月の不安定だった気候という報道もありました。雪国特有の難しさをご理解頂けないのは悲しい所です」と、代表OBの発言に失望している。
また同議員は「出来ることなら中に入れて暖房で溶かしたいですね。水の行き場と燃料費が困りものですが」というSNSユーザーの声に対して、「もちろん、水と燃料費も課題なのと共に、芝は日光と風にあてないと枯れてしまうので、その辺も難しい所なんですよね」と私見を述べている。
なお、札幌ドーム公式サイトでは「冬期間の積雪に対応した屋根形状」として、「札幌ドームの屋根は、ゆるやかな丸みを帯びた形状になっています。冬期間に屋根に積もった雪は、この落雪しやすい形状の屋根と、ステンレス製の着雪しにくいよう工夫された屋根葺き材、そして冬期間に多く吹く北西の季節風による吹き払い効果で、大きな雪塊となる前に下に落ちていきます。このため屋根の除雪作業や融雪システムなどの設置が不要となり、維持管理の負担軽減と省エネルギー化に貢献しています」と説明されている。