インドで9月9日と10日に開催されるG20に習近平氏は欠席し、代わりに李強首相が出席する見込みになっています。習氏は中国トップに就いて以来、G20には欠かさず出席してきただけに「今回は何故?」という疑問がいつもにもなく多く、そして様々な尾ひれがついて語られています。
なかなかうまい表現と思ったのがブルームバーグのこの1節。「シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院の呉木鑾(アルフレッド・ウー)准教授によれば、習氏は今や『皇帝マインド』を抱いており、外国の要人が自分のところにやって来ることを期待している」であります。皇帝であるならば人民が崇拝すべき存在であり、大事に扱われなくていけないのだから「危険なところには行かない」という読みのようです。
事実、8月下旬に南アフリカで開催されたBRICSの会議には現地まで行っておきながら会議に出席せず、演説を代読させるという異例の行動に出ています。
習氏を引っ込み思案にさせた背景は何でしょうか?数々の内政、外交上の問題が噴出し、自身が10年以上にわたって貫いてきたやり方がいよいよ詰むのではないかという懸念だとみています。そしてその矢面に立つことが怖くて仕方がないのが行動に表れているのです。習氏は思った以上に小心者である、故に取り巻きが彼を守ることで習氏のメンツは保たれるというアプローチは決して外していないと思います。