ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は19日、奴隷の子孫への補償について調査研究を行うための特別委員会を設置する法案に署名した。
ホークル氏は今後「さまざまな補償の形態や、過去の過ちを正す方法」について研究を行うとしている。「教育や住宅、医療、環境などに存在する弊害や格差を特定し、ニューヨークの奴隷の子孫を助けるための今後の実現可能な道筋を提示できれば、われわれの気分も高揚するだろう」と委員会への期待を語った。
ニューヨーク州で奴隷制が廃止されたのは1827年。リンカーン大統領が奴隷解放を宣言する36年前だった。ウォール街では奴隷を売買する「マーケット」があり、ニューヨーク州で制度が廃止された後も奴隷貿易は続けられていたという。ニューヨークタイムズによると、新たな委員会では、アフリカ系アメリカ人に対する住宅差別や偏向的な警察の取り締まり、所得の不平等、大量のアフリカ系アメリカ人の収監などについて調査を行う。
会見に参加した人権活動家のアル・シャープトン師は、委員会の設置は「苦痛や傷を完全に癒すことができなかったとしても、補償されるべきだと多くの人々に認識されることで、得られるものが多い」と語った。