株式会社札幌ドームは1月9日、命名権(ネーミングライツ)を販売すると発表した。プロ野球・北海道日本ハムファイターズが昨年度シーズンから本拠地をエスコンフィールドHOKKAIDO(北海道)に移したことで、2024年3月期の純損益が2億9400万円の赤字予想からさらに膨らむ見通しとなるなど苦境に陥っている札幌ドームだけに、なんとしても新たな収入源を確保したいところだろう。だが、札幌ドームが命名権販売にあたり提示した条件が、あまりに「上から目線」で「強気」だとの声も出ている。

楽天は何度も名称を変更、ネーミングライツとは

 ネーミングライツとは、対象の施設に企業の名前や商品名などを使用できる権利をいう。企業側から収入を得ることで、施設の運営に役立てる狙いがある。新型コロナウィルス感染症が拡大した際には、プロ野球などスポーツの試合も中止を余儀なくされ、試合が行われるはずの施設も使用されなくなった。そのため、ネーミングライツを取得した企業にとっては広告効果が薄まり、契約額減額の相談をする企業もあった。

 東北楽天ゴールデンイーグルスは宮城県にある本拠地について、2005年に「フルキャストスタジアム宮城」、08年に「日本製紙クリネックススタジアム宮城」、14年に「楽天koboスタジアム宮城」、17年に「Koboパーク宮城」、18年に「楽天生命パーク宮城」、23年に「楽天モバイルパーク宮城」などと球場名を変えている。また、埼玉西武ライオンズは埼玉県にある本拠地について、最近だと05年に「インボイスSEIBUドーム」、07年に「グッドウィルドーム」、15年に「西武プリンスドーム」、17年に「メットライフドーム」、22年に「ベルーナドーム」などへと名前を変えている。こうした頻繁な名称変更にはネーミングライツが関係しているのだった。