今月16日に明治安田J1リーグ第4節の北海道コンサドーレ札幌対町田ゼルビアが開催される札幌ドーム。プロ野球・北海道日本ハムファイターズのエスコンフィールド北海道(北広島市)移転に伴う巨額赤字、命名権(ネーミングライツ)の募集期間延長で注目を浴びる中、一部の札幌ドーム関連報道に札幌市議会議員の成田祐樹氏が反発。『株式会社札幌ドーム』の企業努力を強調している。
札幌ドームは日本ハムの本拠地移転により、2023年以降はプロ野球公式戦の開催がゼロ。コンサドーレのホームゲーム開催による使用料金や興行時の売り上げを主な収入源としているが、年間3億円規模の赤字が見込まれている。
また、札幌市と道内財界各社が第三セクター方式で出資する『株式会社札幌ドーム』は赤字補填を目的に、年間2億5000万円以上で2~4年間という条件で命名権の公募を実施。しかし公募期限の2月29日17時までに正式な申し込みがなかったとして、期限を延長している。
この赤字額を巡って、周囲では株式会社札幌ドームや札幌市に対する批判が過熱。ただ一方で、株式会社札幌ドームの2023年3月期(第25期)決算資料によると、同社は2001年の開業以降、改良工事で総額61億円以上を負担。札幌市から指定管理費を受け取っていないこともあり、一部からは「企業努力を評価すべきだ」という声も挙がっている。
こうした意見を受けて、成田議員は「本来、施設所有者である札幌市が設備投資をする案件を、札幌ドーム株式会社が利益の中から寄付していますね」と投稿。「それだけ市税を浮かせたと言う事で以前は優秀な施設として何度も記事になっていた」と指摘した上で、「今のメディアはろくに調べもせず、インプ稼ぎに終始している状況」と、メディアによる“札幌ドーム批判”に疑問を投げかけた。
さらに同議員は「元々は埼スタと同じく日韓W杯を機に作った多目的施設です」と、札幌ドームが造られた背景にも言及。「他の体育館や野球場、陸上競技場などと同じく、目的としては収益施設では無いです」と公共施設であることを強調した上で、「勿論、赤字より黒字が良いのは間違い無いのですが、何処までの赤字であれば許されるのか、と言う議論はもっとして良いかと思っています」と私見を述べている。