AMG、ブラバス、ロリンザー、普通のベンツとはちょっと違う風貌で、これらのエンブレムを付けたメルセデスを羨望の眼差しで眺めている方も多いのではないでしょうか。今回は、これらチューナーの違いや特徴などについて、探ってみたいと思います。
ドイツのチューニング事情
日本では車のカスタムやチューニングというと、自分で各メーカーの部品を選んでそれをお店で取り付けてもらうというケースが比較的多いと思いますが、ドイツではチューニングはお店に任せるというスタイルが一般的です。そのためチューナーと呼ばれるメーカーも、れっきとした会社として認められています。
ドイツのチューナーとしては、BMWのM社や、メルセデスのAMGなどが有名ですが、ほかに多くのチューナーが存在します。
AMG
街中でよく見かけるAMGは、メルセデス ベンツのチューニング部門の名前です。
その設立は1967年。レース用エンジンの会社として設立されたAMGは、1971年にメルセデス300SELをベースにした6.8Lで参戦したスパ24時間でクラス優勝(総合2位)。メルセデスのチューナーとして頭角を表します。
その後、1980年代からメルセデスに部品の供給を開始。1990年には協定を結び、1999年にはダイムラー・クライスラーグループと合併、そして2005年にはダイムラー・クライスラーが株式の100%を取得し完全にグループの会社となりました。
いまではメルセデスのブランドの3つのうちのひとつとなっており、通常のベンツ、高級サルーンのマイバッハ、そしてスポーティーな車種を扱うチューニング部門となっています。
AMGの特徴としては、なんといっても強力なエンジン、そして豪華な内装にスポーティーで品のあるエクステリアです。走りに関しては、アウトバーンをいかに早く快適に走るかに重きが置かれており、超高速域でも安定して走ることができます。
そのため、通常モデルでは250km/hでリミッターがかかるところ、AMGではオプションでリミッターを300km/hに変更することも可能となっています。
BRABUS
メルセデスのチューナーとして、AMGについで有名なのがブラバスです。
ブラバスは、1977年に設立されたチューニングメーカーで、AMGやロリンザーと違い、メルセデスのエンブレムのかわりにオリジナルの「B」を模ったエンブレムが付いていることが特徴です。
日本へは、BRABUS JAPANが輸入を行っています。また、株式会社エクゼによってエアロなどのパーツが輸入されているそうです。
ロリンザー
ロリンザーの歴史は古く、1930年にまでさかのぼります。
最初は自動車の修理店として設立され、その後ベンツの正規代理店として営業が始まりました。
日本ではエアロやホイールのパーツ販売の方がメインで、エンジンまでチューニングされたコンプリートカーは最近ではなかなかお目にかかれないようです。
どのチューナーがすごい?Sクラスで比較
同じ条件で比較するためにW222型の、S550(V8モデル)をベースに比較してみました。
なお、ノーマルS550のスペックは以下のとおり。
最高出力:335kW(455 PS)/5,250-5,500rpm
最大トルク:71.4 kgm/1,800-3,500rpm
AMG S63 4MATIC
最高出力:430kW(585ps)/5,500rpm
最大トルク:91.8kgm/2,250-3,750rpm
BRABUS S B50-540
※画像はB50 ハイブリッドモデル
最高出力:397kW(540ps)/5,300-5,800rpm
最大トルク:83.4kgm/1,800-3500rpm
ロリンザー エレクトロニック パフォーマンス アップグレード
ロリンザーの場合、Sクラスの完全なコンプリートカーは、V12ベースのロリンザー S70(なんとこれは805HP!)になり、V8ベースのものは存在しません。そこで、ロリンザー エレクトロニック パフォーマンス アップグレードというチューニングメニューを選択しました。
最高出力:390kW(530ps)/5,600rpm
最大トルク:81.5kgm/1,700-3,800rpm
馬力だけを見ると、AMGの圧勝ですが、AMGの場合はS550とはエンジンが別物で、排気量からして違う点は差し引いて考える必要があるでしょう。
ブラバスやロリンザーは、1,700〜1,800回転あたりから最大トルクを出していて、ノーマルの出力特性をそのまま太くしたようなチューニングで、低回転でのトルクを重視している点は好感が持てます。
このクラスのパワーを持つ車であればどれに乗っても不足を感じることはないと思いますが、あえてAMGではなく、希少なブラバスやロリンザーを選び差別化を図ってみるのもいいかもしれませんね。
提供元・CarMe
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