オバマ元大統領の時代、経済には疎いとされていたにもかかわらず、ずっと景気が良く、国民からの不満が少なかったことを覚えていらっしゃるでしょうか?ある意味、世界的に無風時代で誰が何をやってもうまくいく時だったのです。その中で経済が好調で株価が安定的に上昇する流れがあれば時のトップが誰であってもうまくいく、これがほぼ鉄則といえます。

故に安倍元首相がしきりに経済対策と述べていたのも景気は「政権維持の特効薬」なのです。極端な話、外交なんてどうでもよくて本国のことだけに注力していればそれで政権は評価されるとしても過言ではないのです。ではなぜ、一国のトップは外交がお好きなのか、といえば華やかでかつトップとして比較的自由度をもって対応できる唯一のエリアだからです。

では岸田氏が尹大統領との関係改善は岸田氏の成果か、といえば私はそうではなく、尹大統領の最大の外交方針であり、韓国国内の反対派を押さえつけてでも日本との関係を再構築しようとしたのです。原発処理水でも韓国はいち早く日本の方針に同意をしました。岸田氏がスムーザーとして存在はしていますが、ドライビングフォースではないのです。

岸田氏の外交方針は風見鶏的なところがあり、G7議長国としてウクライナに行かなきゃといった受験の際の「試験対策」的要素が見え見えでした。個人的には安倍元首相がトルコのエルドアン大統領と何度も会談して関係を構築したのに対して、岸田氏は難しい国との外交は避けている点で外交の岸田とは言えないのだろうと思います。私が外交で今、一番の凄腕を上げよといえば、中国の王毅氏の右に出る者はいないでしょう。

岸田氏は政策より自分の立場と評価をとても気にする方でまるで「ナルシスト」のような感じがします。日経に岸田首相は散髪好きで一年で23.6回も床屋に行ったそうです。月2回です。「髪が抜けるほど苦労をする」と言いますが、岸田氏は地毛が伸びるほど首相の座を満喫しているのかもしれませんね。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年10月5日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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