かつてヴィッセル神戸のスペイン語通訳として、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタら大物選手をサポートしていたフェラン・サンティ氏が26日、X(旧ツイッター)を更新。ロサンゼルス・ドジャース大谷翔平選手の元通訳である水原一平氏の違法賭博疑惑に言及した上で、通訳と選手の関係について持論を述べた。
プロ野球・北海道日本ハムファイターズの球団通訳時代から、大谷と接点のあった水原氏。2017年オフに大谷のロサンゼルス・エンゼルス移籍に伴い、同選手の専属通訳として活動。ドジャースでの新シーズンを迎えた矢先、違法なスポーツ賭博に関与した疑いでドジャースを解雇された。
世間の関心が大谷の声明内容や、同選手の銀行口座から巨額の送金を行うことができた裏側に向く中、神戸の元取締役事業本部長である小野壮彦氏が「大谷翔平選手の通訳問題が大変な中、ヘッドハンターとしては早く大谷選手に、次の信頼できる通訳を探してきたい!という職業病的妄想にかられています。しかしこのサーチは…かなりの難易度ですね」と投稿。水原氏に替わる通訳の選定に視線を送っている。
この小野氏の投稿に反応したのが、イニエスタやMFセルジ・サンペール、FWダビド・ビジャなどをサポートしていたサンティ氏だ。同氏は「思わず、『そうだよな〜』と声に出ました」と、小野氏の指摘に唸ると、「このレベルの選手の通訳は、言語能力と野球に関する知識はベースラインでしかなく、+αで一流の対人調整力や問題解決能力が求められ、しかも一流選手やスタッフが集う環境で信頼されるオーラも必要になるので、これが全部揃っている人は一握りだと思います」と私見を述べる。
つづけて「大谷選手の件で、プロ選手の通訳をしてきた立場として思うことは、あのレベルの選手を1人の人間が24時間体制でサポートするのはリスクがあるよなと。ここは選手の性格や通訳との関係性にもよるので、最適解はないですが、個人的には最大限のサポートはしつつ、適切な距離感を保つ方がいいと考えます」と、自身の経験をもとに大物選手と通訳の関係性について持論を展開。
「一握りの人が言うと説得力ある」というSNSユーザーの反応に対して、「自分はイニエスタの優しさや、周りで彼をサポートしてくれた人たちに助けられてやって来れたので、水原さんが1人で背負って提供していたサポートのレベルと比べると全然ですよ!いい環境と人に恵まれて、成長させてもらえたことには感謝してます!!」と、イニエスタやクラブ関係者に対して感謝の思いを伝えた。
「サンティさんの偉大さも改めて感じますし、感謝しかありません」「この件で同じ仕事をされている方の意見はとても気になりますね!」といったメッセージが寄せられるなど、スポーツファンの注目を集めているサンティ氏。イニエスタをはじめ欧州最高峰の舞台でプレーしていたスター選手を支えてきただけに説得力がある。