月面に降り立ったニール・アームストロング船長の「人間にとっては小さな一歩だが、人類には偉大な飛躍だ」という名言を思い出す。大きくて神秘的な「スーパームーン」に向かって、「最近は多くの訪問者を迎えて、君も急がしいだろう」と語りかけてみた(「ウィーンから観た『スーパームーン』」2023年8月3日参考)。
「スーパームーン」に関わる心温まる話が世界各地で伝承されているが、中国では、月は家族の団らんや再会の象徴とされている。特に中秋節には月を見ながら家族が集まり、月餅を分け合う。「スーパームーン」の夜、遠く離れて暮らしている家族が同じ月を見上げていると考えることで、距離を超えて心がつながると信じられている。ある老人が「スーパームーン」の夜、息子に電話をかけてこう言った。「今、月を見ているかい?私たちが同じ月を見ている限り、どんなに遠くても君はいつも私のそばにいるんだよ」。また、ネイティブアメリカンの部族の中には、月を大切にする文化がある。彼らは「スーパームーン」を「母なる月が地球を見守る時」と捉え、特別な祈りを捧げる。ある伝説によれば、「スーパームーン」の夜には亡くなった愛する人々の声が月明かりを通して届くといわれている。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年11月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。